研究課題/領域番号 |
07044014
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 仙台電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山崎 守一 仙台電波工業高等専門学校, 教養系列, 教授 (90200667)
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研究分担者 |
NORMAN K.R. Former President, Pali Text Society・Unive, Professor
宮尾 正大 室蘭工業大学, 電器電子工学科, 教授 (80022135)
逢坂 雄美 仙台電波工業高等専門学校, 教養系列, 教授 (30152036)
NORMAN K.R University of Cambridge, Professor
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 初期仏教 / パーリ文献 / 中期インド・アリアン語 / ダンマパダ / ヴィナヤ / 語彙索引 / 詩脚索引 / Pada / Dhammapada / Vinaya |
研究概要 |
本研究は、オックスフォードの「パーリ文献協会」(Pali Text Society=PTS)から刊行されている全パーリ文献の正順・逆順語彙索引の作成及びそのソフトウェアを開発することを目的としている。この研究目的を達成するため、韻文作品の代表として『ダンマパダ』(Dhammapada 423 詩節)を、また、散文作品として膨大な分量を持つ『ヴィナヤ』(Vinaya 全5巻・総ページ数1,588)を選び、パーソナルコンピュータを用いて、これらの完璧な正順と逆順の語彙索引を作成・完成させることを目指して遂行した。 初年度は、ノーマン教授とヒニューバー教授により校訂・出版された『ダンマパダ』(PTS 1994)の語彙索引を作成した。ノーマン教授から、教授自身の作成によるパーリ語フォント(ノ-ミンフォント)を使用して入力された『ダンマパダ』を受け取り、われわれが作成したパーリ語フォントに書き換え、語彙(Word)の「正順索引」と「逆順索引」を作成した。さらに、これまでに開発したプラークリット語の詩脚索引作成プログラムを一部改良することによって、詩脚(Pada)の「正順索引」と「逆順索引」をも作成した。このことによって、韻文作品の語彙と詩脚の索引印作成するプログラムの妥当性が確認された。これら4種類の索引、すなわち語彙の「正順索引」と「逆順索引」、それに詩脚の「正順索引」と「逆順索引」は、いずれも写真製版出版が可能な索引であり、これらの索引を、「パーリ文献協会」に投稿した。そして、それらは同協会の評議委員会による査読を受け、1995年にIndexes to the Dhammapadaと題され、単行本として出版された。この書物は、世界中のパーリ文献学者及び仏教学者の研究に稗益することであろう。 次に、オルデンベルクによって編纂された『ヴィナヤ』の研究にとりかかった。『ダンマパダ』と同様、語彙索引作成のためのノ-ミンフォントで打ち込まれたフロッピ-を、われわれのフォントに書き変えて解析処理をしたのであるが、このテキストには大量の省略文字があり、さらに明らかなミスプリントも多数存在しており、これらの問題点を解消することが先決事項となった。このため、逢坂の作成したプログラムを走らせることによって、まずプレリミナルな語彙索引を作成した。この出力結果をノーマン教授に送り、ノーマン教授がチェックしたものを、こちらのチェック結果と比較照合する。お互いにミスを見い出すことができなくなるまで何度もこのようなやり取りを繰り返し、コンピュータ上に正確なテキストを形成することを目指した。しかし、この作業が進むにつれて、PTS版『ヴィナヤ』の読みの訂正をどのようにするかの問題も起こり、ケンブリッジで直接討議することによってこの種の問題解決の基本方針を確認した。 さらに、教授の来日中に、得られた結果を時間をかけて慎重に吟味し、パーリ語の語順(Word Order)プログラムの確認、同一語彙の異表記の取り扱い、研究者が最も使用しやすい形態にするためのレイアウト等についての共同討議を行った。また、これまでの一連の研究によって開発された、韻文用プログラムと散文用プログラムを使用して、膨大な量の全パーリ・テキストの完全な語彙索引と詩脚索引作成の実現に向けて、解決すべき問題点を建設的に討議した。 このようにして、『ヴィナヤ』のテキスト・データベース構築上に横たわる種々の問題を解決し、省略文字の全文字化を行い、コンピュータ上に『ヴィナヤ』の完全なテキストを作成した。そして、このテキスト・データベースに基づいた語彙索引を作成し、独自に開発された語彙プログラムが3.5メガバイトもの大量な散文テキストでも処理できるプログラムであることを確認した。この語彙索引は、『ダンマパダ』と同様の手続きを踏み、「パーリ文献協会」からIndex to the Vinaya-Pitakaと題して出版され、コーン博士の辞書(New Pali-English Dictionary)編纂にも使用されており、その有用性が実証されている。 現在、『ディーガ・ニカーヤ』(Digha-nikaya)の語彙索引作成に向けて、このテキストのテキスト・データベースを構築する作業に取りかかっている。
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