研究分担者 |
韓 汝びん 北京科技大学, 冶金史研究室, 主任教授
陳 鉄梅 北京大学, 考古系年代測定実験室, 主任教授
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (60270401)
斎藤 努 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (50205663)
小林 紘一 (小林 絋一) 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (70108637)
孫 淑雲 北京科技大学, 治金史研究室, 副教授
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1995年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
1)平成7,8年度に引き続いて,わが国と中国の古代金属遺物についての産地と年代に関する自然科学的研究を実施した。両国で開発し,検討し,統一化した方法により,両国の重要資料の産地と年代を分析し,その結果を考察した。これまで3年間の研究結果をまとめ,研究成果報告書を作成した。 2)産地分析については,鉛同位体比高周波燃焼質量分析法により,中国から提供された,主として湖北省湖北遺跡など(商時代中期、紀元前14世紀)の青銅器を分析した。資料のキャラクタリゼーションには最新の中性子放射化分析法とX線マイクロアナライザー付走査型電子顕微鏡分析法を適用した。商時代の青銅器の産地については,現在まで分析結果がほとんどなく,定説がなかった。本研究結果によれば,湖北遺跡の青銅器の鉛同位体比分析結果のプロットは2グループに分かれ,そのうちの1グループは,とくに特異的で,従来にない位置にプロットされ,青銅器の原料供給地域が,その後の時代の地域とは大きく異なると推定されるなど,新規な結果を得た。 3)年代分析については,放射性炭素タンテム型加速器質量分析法と熱ルミネッセンス法により,わが国から提供した,新潟県などの鉄滓と中国から提供された,湖北省大冶などの銅滓の年代分析を実施した。鉄滓と銅滓の年代については,適切な方法がなく,現在まで分析結果がほとんどないので,これらの結果は注目された。 4)本研究の成果は,本年5月25〜27日に島根県松江市で開催される,第4回国際金属歴史会議で発表する。
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