研究課題/領域番号 |
07044020
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
杉田 繁治 国立民族学博物館, 第5研究部, 教授 (40026042)
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研究分担者 |
尹 載秀 東亜大学校, 法科大学, 講師
劉 仁善 国立ソウル大学校, 東洋史学科, 教授
全 京秀 国立ソウル大学校, 人類学科, 教授
高 恵星 (全 恵星) 国立民族学博物館, 東厳研究所, 所長(客員教授)
朝倉 敏夫 国立民族学博物館, 第1研究部, 助教授 (40151021)
嶋 陸奥彦 東北大学, 文学部, 教授 (30115406)
KOH Chun He-sung Prof.National Museum of Ethnology
CHUN Kyung-soo Prof.National Seoul University
YOON Jae-soo Lecturer, East Asia Univ.College of Law
YU In-sun Prof.National Seoul University
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1995年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 刑律 / 刑事判例 / 家族・親族 / 東アジア / 儒教文化圏 / コンピュータ民族学 / 漢字入力 / 親族 / 漢字文化圏 / コンピューター民族学 / テキストの入力 |
研究概要 |
本研究の目的は、一つに18世紀における中国、日本、韓国、ヴェトナムの四ケ国の刑律および刑事判例を使い、それぞれの国の家族・親族の構造を折出し比較すること、二つに18世紀の東アジアにおける刑律および刑事判例のデータベースを作成することにある。ことに第一の目的において、刑律および刑事判例を使うことによって、これまでなされてきた上層階級ばかりでなく、すべての社会階層における東アジアの家族・親族の比較を考えている。 これら四ケ国は、7世紀に中国の『唐律』を受容し、それぞれの国の要求および状況に即しこれを修正し、17・18世紀にはそれぞれの国における刑律が確立し、刑事判例がだされている。これらの刑律と刑事判例の中から、本研究の目的に合致し、最も信頼すべき、かつ比較に供する史料を慎重に選択し、四ケ国において共通する漢字による原本をコンピュータに入力し分析することが、本研究の一義的な作業となる。これにそって今年度は、昨年度に続き、第3次、第4次、第5次の三回のワークショップで以下の研究作業を進めた。 1.各国の刑律および刑事判例のうち、コンピュータに入力する史料を特定し、入力作業を行う。 そのサンプルとして、韓国の『増補文献備考:刑考』とヴェトナムの『黎朝刑律』に加えて、韓国の『続大典』『秋官録』『審理録』、中国の『刑案匯覧』『清律』、日本の『御仕置例類集』を選択する。そして、それらの史料を基とした用語解の作成と、参考とすべき各国の刑律・刑事判例の書誌解題の作成する。 なお、史料の選択の過程で、ヴェトナムの法が『唐律』に、韓国の法が『明律』に基づいていることから、これらの法を考慮すべきであることを確認する。 2.コンピュータに入力する時のコード化の開発とその分析方法を検討する。 3.韓国とヴェトナムの史料の具体的入力と編集を行う。中国、日本の史料についても順次入力と編集の作業を進めていく。 4.四ケ国それぞれにおける親族研究の回顧と展望をする。 5.四ケ国それぞれにおける刑法の展開についての研究の回顧と展望をする。また、以下の点について討議を行った。 1.本研究に使用する史料が総合的な法規の実行記録であるため現代西洋の概念との対照が困難であり、法と文化に関する概念の再検討が必要であることを確認する。 2.四ケ国における親族の概念の違いが明らかになる。これに関して、さらに社会学、歴史学など各国の専門家との討議が必要であることを確認する。 3.コンピュータに入力するための刑律・刑事判例の構文解釈をどのように行うかを各国の法学研究者に諮問し、批判と教示をあおぐ。 4.入力・出力の一貫性のため四ケ国の漢字使用の対照表を作成する。四ケ国における漢字のコンピュータ入力の互換性について、今後さらに検討していく。 本研究は学際的な研究であり、その構成員も幅広い学問分野から構成されているが、研究を効率的に推進するために、研究作業の分担とともに、研究成果の発表と最終報告の執筆についても試案ではあるが、すでに調整してある。 なお、本研究は平成9年度からも2年間の予定で継続していく計画であるが、そこでは本研究で入力されたデータを出力し、これを分析するとともに、さらに入力のコード化を比較文化研究に使用できるよう再検討し、より汎用性と精度の高いデータベースの作成を行い、このデータベースに基づいて、各研究者がそれぞれの学問分野においてテーマを定めて研究を展開していく予定である。
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