研究分担者 |
朴 吉俊 延世大学校, 法科大学, 教授
実方 謙二 神戸学院大学, 法学部, 教授 (50061106)
厚谷 襄兒 (厚谷 嚢兒) 北海道大学, 法学部, 教授 (90222637)
孫 珠ちゃん 延世大学校, 法科大学, 講師
徐 元宇 ソウル大学校, 法科大学, 教授
韓 堅愚 延世大学校, 法科大学, 副教授
安田 信之 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00242884)
梁 承斗 延世大学校, 法科大学, 教授
向田 直範 北海学園大学, 法学部, 教授 (90104695)
稗貫 俊文 北海道大学, 法学部, 教授 (70113610)
鮎京 正訓 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40126826)
中村 睦男 北海道大学, 法学部, 教授 (30000665)
鈴木 賢 北海道大学, 法学部, 助教授 (80226505)
五十嵐 清 北海道大学, 名誉教授 (00000646)
千葉 正士 東京都立大学, 名誉教授 (30083306)
金 昌禄 釜山大学校, 法科大学, 専任講師
沈 在宇 高麗大学校, 法科大学, 教授
崔 鐘庫 ソウル大学校, 法科大学, 教授
金 哲洙 ソウル大学校, 法科大学, 教授
鈴木 敬夫 札幌学院大学, 法学部, 教授 (50047908)
和田 健夫 (和田 建夫) 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20133796)
KIM Chang-Rok College of Law, Pusan National University ; Lecturer
CHOI Chong-ko College of Law, Seoul National University ; Professor
SHIM Zai-Woo College of Law, Korean University ; Professor
KIM Tchol-Soo College of Law, Seoul National University ; Professor
YANG Seung-doo College of Law, Yonsei University ; Professor
SUN Won-Woo College of Law, Seoul National University ; Professor
HAN Kyun-Woo College of Law, Yonsei University ; Asistant Professor
金 賛鎭 韓国, 比較法研究所, 所長
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研究概要 |
本プロジェクトの基本的課題は、日本と韓国の法文化について、それぞれと西欧法文化との関連を念頭に置きつつ、(1)法哲学的・法思想史的・国家学(憲法学)的観点から比較研究を展開すること(法哲学班)、及び(2)経済法的、とりわけ独禁法的・公正取引法的な観点から、比較法学的な研究を展開すること(経済法班)にある。 まず、(2)の経済法班から研究実績の概要について見よう。当初、五年前から法哲学班だけで行なわれていた本プロジェクトに、経済法班は、二年前に新たに参加した。この二年間で、合計四次にわたる共同研究会が行なわれたが、その中で基本的な問題意識が共有されるに至り、研究発表に伴う議論が、漸次スムースなものとなってきた。具体的な業績は、別掲の諸論文を御参看願うこととしてそれに言及することを省略し、ここでは、基本的な問題について、一言しておくことにしたいと思う。 日本と韓国の公正取引法は、条文の上からは、極めて親縁的な関係にある。しかし、それの具体的運用や実際的機能については、意外な程大きな差がある。このことにわれわれは、共同研究の中で改めて強く印象づけられた。この差が生じる所以は、法と現実の接触するいわば「法文化」のあり方に求めることができ、そしてこの次元の問題に関しては、法律や文献上の知見だけでは察知することのできない複雑・微妙なものである。そしてとりわけ、何よりも痛感されたことは、自国における法の運用や機能は、視野を自国だけに、あるいは外国の文献だけに限定している時には浮上してこないこのような「法文化」のあり方からくるこのような差異が決定的ともいうべき意味をもつということである。われわれは、このような事情に触発されて、一方では広い比較法文化的な視野を獲得していくとともに、他方ではまた比較法文化的な視野を経済法的な諸現象によってより具体的なもの、豊かなものにしていきながら、本プロジェクトを進めていく必要性を痛感している。そして現在、実際にそのような方向性へと向かうべく、準備しつつある。このような基礎視角の獲得こそは、今後の本プロジェクトのあり方に関わる、大きな成果・業績だといってよいのではあるまいか。 法哲学班は、これまでの過去五年間の共同研究において、日本と韓国の法文化について、それぞれと西欧法文化との関連を念頭に置きつつ、法哲学的・法思想史的・国家学(憲法学)的に比較研究を展開することを課題としてきたが、それに関して、昨年非常に大きな具体的成果を収めた。ここではそれを中心に述べておく。 1996年10月10日および10月12日の二日間、日本法哲学会およびIVR(国際法哲学社会哲学会連合)日本支部の主催、財団法人社会科学国際交流江草基金の後援で「第一回アジア法哲学シンポジウム」が開催されて、多大の成果を収めた(詳細は、今井弘道「アジア法哲学の課題と展望--『第一回アジア法哲学シンポジウム』を終えて」(ジュリスト、No.1117,1997年3月1日号を参照のこと)。これは、実は、本プロジェクトのこれまでの五年間の研究成果を踏まえて、本プロジェクトの代表者である今井弘道が、日本法哲学会及びIVR日本支部を動かし、自らその組織委員長として企画・組織・実現したものであった。このような事情から、このシンポジウムにおいては、本プロジェクトのメンバーからは、基調報告をも行った今井の他に、報告者として、金昌禄、コメンテーターとして崔,鐘庫、梁,承斗、通訳者として鈴木賢、岡克彦が担った。まこその他の報告者も、本プロジェクトを介して知己を得た人が少なくない。このような意味で、このシンポジウムは、本プロジェクトの活動の成果を問うという意味をもったものであった。なお、このシンポジウムは、1998年にソウルで、本プロジェクトのメンバーであり、IVR韓国支部の理事長である梁承斗の責任の下に開催される予定である。無論、本プロジェクトは、今後の研究交流を通じて、またシンポジウムの当日において、これの成功のためにも、可能な限りの尽力をする予定でいる。今後、本プロジェクトはこの「アジア法哲学シンポジウム」の定着・発展と相互に支え合いながら、更なる発展を遂げていくことになるであろう。
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