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オリゴマー相互作用の真時間での解析による陽イオンポンプの分子機作解明

研究課題

研究課題/領域番号 07044049
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関北海道大学

研究代表者

谷口 和弥  北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (40028204)

研究分担者 SVEN Mardh  スウェーデン、リンシェピング大学, 生命科学部, 教授
FROERHIC Jef  米国国立衛生研究所, 老年学研究センター・兼メリーランド大学・部長, 教授
SCHONER Wilh  ユスタス リービッヒ大学, 生化学・内分泌学, 教授
嘉屋 俊二  北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90186023)
MARDH Sven  Linkoping University・Professor
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワードNa^+,K^+-ATPase / H^+,K^+-ATPase / オリゴマー / コンフォメーション / リン酸化 / キナーゼ / フォスファターゼ
研究概要

Na^+,K^+-ATPaseへの基質の結合とリン酸化及びイオン輸送にともなう構造変化の関係を解析する目的で、本酵素に蛍光プローブを導入し、リガンド添加にともなう蛍光変化を測定し、その結果からAcP添加での蛍光増加は、PLP修飾酵素標品では見かけのEP形成を、AP2PL修飾酵素標品ではEP形成の後の現象を反映している。ATP添加後のEP形成の後に起きる蛍光変化は、PLPが結合した酵素へのATPの結合を反映しているのか、ATPからEPが形成される60%の酵素とPLPが結合した酵素との相互作用を反映している可能性がある。
内在性tyrosine kinaseでリン酸化されたH^+,K^+-ATPase標品をTPCK・Trypsinで限定分解し、リン酸化部位を含むペプチド断片をゲル濾過及び逆相HPLCで分離精製したところ、Insulinより低分子量の2種類の放射性ピークが得られた。各ピークに相当する画分をアミノ酸シークエンサーで分析した結果、得られた配列はα鎖のN末端部に相当し、Tyr^<10>に加え、Tyr7もリン酸化部位であることが新たに判明した。また、得られたN末端部のペプチドはいずれもMet^1が欠損しており、成熟したH^+,K^+-ATPaseのα鎖にはMet^1が存在しない可能性が示唆された。更に、リン酸化の度合いが異なるH^+,K^+-ATPase標品を出発材料として、同様の方法により最終的に得られる2種類のピークの量比の変動を観察した結果、内在性のtyrosine kinaseによってTyr^<10>,Tyr^7の順にリン酸化されることが示された。
蛍光性SH試薬、N-(P-(2-benzimiclagalyl)phenyl)mabimide(BIPM)を用いて、ブタ腎Na^+,K^+-ATPaseのE1PからE2Pへの変換と共役したNa^+の輸送を追跡した。24°C10μMのATPを16mM NaCl、1mM MgCl_2,25mM Imidazole-HCl(ph 7.45)中のBIPM修飾酵素に添加すると見かけの速度定数137S^<-1>で蛍光が増加した。このシグナルはE2Pの蓄積を反映し、この実験条件下ではATPの結合が律速になっている。同様の実験条件下でBIPM修飾酵素のリン酸化をラピッドクエンチングで測定し、見かけの速度定数、約119S^<-1>を得た。BIPM修飾はATP結合、EP形成、E2P分解、E1PからE2Pへの変換速度には影響を与えていないことが示された。以上の結果はBIPM蛍光とリン酸化反応が同様の速度論を示すこと。従ってE1PからE2Pへの変換が非常に早いこと(>1000S^<-1>)を示している。生理的ATP濃度ではE2PからのNa^+の遊離がリン酸化により律速となっている(200MM ATP存在下で327S^<-1>)か又は同時にNa^+の脱閉塞を含む構造変化が律速になっている。以上の結果は電気ウナギ発電器官で得られたE1PからE2Pへの変換が非常に速いことと一致している。
電気ウナギ(eel)の電気器官の細胞膜上には、その発電作用に直接関わるナトリウムチャネルと共にNa^+,K^+-ATPaseを多く発現している。このためNa^+,K^+-ATPaseの反応機構の解析に用いられてきた。しかし、eelの電気器官に発現するNa^+,K^+-ATPaseのアミノ酸配列はまだ報告されていない。Na^+,K^+-ATPaseの反応機構を議論する上で、用いる酵素のタンパク質レベルでの知見は重要と考えられる。今回、eelの電気器官からmRNAを分離し、Na^+,K^+-ATPaseのαサブユニットをコードするcDNAのクローニングを行いその塩基配列を決定した。
rat Na^+,K^+-ATPase α1のC末端領域やく700bpをプローブとして用い、常法に従ってクローニングを行った。完全長のクローンが得られなかったため、さらに5'-RACE法により5'末端領域をコードするクローンを単離した。得られたcDNAは全長3732bpからなり1009残基のアミノ酸をコードしていた。FITC、ピリドキサールリン酸、BIPMなど、哺乳類由来のNa^+,K^+-ATPaseの構造変化の解析に用いられていることが明らかになった。現在、これらの試薬にて標識したeelのNa^+,K^+-ATPaseの構造変化に基づく蛍光強度変化についてブタ腎臓から調整したNa^+,K^+-ATPaseとの比較を試みている。

報告書

(1件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Togawa: "Reversible Phosphorylation of boty Tyr^7 and Tyr^<10> in the α-chain of pig stomach H^+,K^+-ATPase by a membrane-found kinase and phosphatase." Journal of Biological Chemistry. 26. 15475-15478 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.P.Froerhic: "Kinetics of the Phosphoenzyme interconversion reaction in BIPM-labeled pig kiney Na^+,K^+-ATPase." Biophysical Journal. 70. 327 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Togawa: "Revresible Phosphorylation of boty Tyr7 and Tyr10 in the alpha-chain of pig stomach H^+, K^+-ATPase by a membrane-found kinase and phosphatase" Journal of Biological Chemistry. 26. 15475-15478 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.P.Froerhic: "Kinetics of the Phosphoenzyme interconversion reaction in BIPM-labeled pig kiney Na, k-ATPase" Biophysical Journal. 70. 327 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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