• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

しきい値付近におけるD(e,e'p)同時計数実験

研究課題

研究課題/領域番号 07044055
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東北大学

研究代表者

玉江 忠明  東北大学, 理学部, 助教授 (10124174)

研究分担者 MISKIMEN Ror  マサチュセッツ大学, 助教授
TURCHINETZ W  マサチュセッツ工科大学, 上級研究員
HICKS Ross S  マサチュセッツ大学, 準教授
PETERSON Ger  マサチュセッツ大学, 教授
松山 晶彦  静岡大学, 理学部, 助教授 (90190545)
堀田 明男  静岡大学, 理学部, 教授 (00022111)
山崎 寛仁  東北大学, 理学部, 助手 (90260413)
今野 収  東北大学, 理学部, 助手 (90004449)
前田 和茂  東北大学, 理学研究科, 助教授 (20125652)
宮瀬 晴久  東北大学, 理学研究科, 教授 (40005822)
須田 利美  東北大学, 理学研究科, 助手 (30202138)
菅原 真澄  東北大学, 理学部, 教授 (30004287)
PETERSON Gerald A  University of Massachusetts
TURCHINETZ William  Massachusetts Institute of Technology
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
キーワード同時計数実験 / 電子散乱 / 相対論的効果 / 中間子交換電流 / 準弾性散乱 / しきい値 / 重陽子 / 偏極電子
研究概要

本研究は、マサチュセッツ工科大学Bates研究所の高エネルギー連続電子線を用いて重陽子の分解しきい値付近で同時計数電子散乱実験を行うものである。実験では、液体重水素の標的に900MeVの連続電子ビームを照射し、散乱電子とともに放出陽子の角度分布を測定して断面積を非干渉項と干渉項に分解する。重陽子は陽子と中性子それぞれ1個からなるもっとも簡単な原子核で、原子核の構造や反応機構の基本的性質を研究するために理論的にも実験的にも最もよく調べられている原子核である。特に最近では、原子核中の核子以外の自由度の研究に関心が集まっている。10年ほど前、重陽子のしきい値付近のシングルアームの電子散乱で中間子交換電流の寄与が明瞭に検出されたが、現在までのところこの領域における同時計数電子散乱実験は行われていない。理論計算によると、この領域の同時計数実験から得られる縦波型と横波型の干渉項には明瞭な相対論的効果が現れると予想され、また、非干渉成分には相対論的効果、中間子交換電流、アイソバ-の効果からの寄与がある。
マサチュセッツ工科大学Bates研究所では、パルスビームを連続ビームに変換するパルスビーム・ストレッチャーの建設が数年前から進められており、我々の研究課題はそのビームを使った実験の1つとして432時間の実験が認められている。このパルスビーム・ストレッチャーは昨年の暮にようやく最初のビーム取り出しに成功し、現在、性能向上のためのテストが続けられている。
我々の課題は断面積の小さな領域での実験であり、実験技術的にも解決しなければならない点があるので、アメリカチームとともにまず断面積が比較的大きな準弾性散乱領域で実験を行うことにした。準弾性散乱領域での実験は、パルスビームでもある程度の実験は可能であり、最初の実験としては適当であると考えている。この実験は偏極電子ビームを使用することで普通の非偏極断面積のほかに電子のスピンに依存する項を測ることができ、原子核に関する基本的な情報を分離して取り出すことができる。昨年春の予定では、この実験は平成7年秋か8年の2月または3月に行なわれることになっていたが、他の実験が延びたことやパルスビーム・ストレッチャーのテストに多くの時間を使用したために実験実施は平成8年度に延びている。我々はこの半年間の時間的余裕を利用して実験装置の改善や整備に力を注いできており、平成8年の夏までに最初の実験を遂行できると考えている。
今回の同時計数実験は散乱電子の測定に加えて4台のアウトオブプレーン磁気スペクトロメータによって放出粒子を測定するという複雑な実験であり、使用する測定器にも開発的要素が多い。我々はこの1年、実験の実施に向けてアメリカチームと協力してその準備に当ってきた。特に、データ解析を容易にする新しい計算機プログラムの開発は日本チームが独自に行ってきたものである。このプログラムを使用すると、セルンライブラリーの多くのソフトを使って実験の解析を行うことができる。またアメリカチームが開発したチェレンコフカウンターやドリフトチェンバーなどの検出器の試験や設置にも協力している。これらの装置は、平成8年3月までにほぼ完成しビームによる最終テストを待っている状態である。
平成8年2月には、2年前に科学研究費補助金(一般C)の一部補助により行ったヘリウム3における(e,e'd)同時計数実験の論文が完成し出版された。この実験では、しきい値付近での重陽子の(e,e'p)実験に使用するのと同じスペクトロメータを使用し検出器もほぼ同じものを用いた。この実験への参加で本研究の課題責任者はBates研究所における実験の経験を積み、その後の研究計画に生かしている。このヘリウム3実験では、ヘリウム3から重陽子が放出される際、核内でスピンが反平行な陽子と中性子が反応によりスピン平行の状態に移行して重陽子として放出される寄与の大きいことが見いだされた。

報告書

(1件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] C.Tripp: "Observation of Isovector-Isoscalar Two-Body Currents in Deuteron Knockout from ^3He" Physical Review Letters. 76. 885-887 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] C.Tripp: "Observation of Isovector-Isoscalar Two-Boby Currents in Deuteron Knockout from ^3He" Physical Review Letters. 76. 885-887 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2019-03-13  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi