研究分担者 |
土橋 一仁 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20237176)
山村 一誠 東京大学, 大学院・理学系研究科, 学振 特別研究員
上野 宗孝 東京大学, 教養学部, 助手 (30242019)
砂田 和良 国立天文台, 助手 (90270454)
泉浦 秀行 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (00211730)
松原 英雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (30219464)
田辺 俊彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90179812)
中川 貴雄 (中川 貫雄) 宇宙科学研究所, 助手 (20202210)
土井 靖生 東京大学, 大学院・理学系研究科, 学振 特別研究員
大西 利和 名古屋大学, 理学部, 学振 特別研究員
CESARSKY C サクレー研究所, 天体物理部, 部長
HESKE A. 宇宙赤外線天文台, 科学研究班研究員
大仲 圭一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 学振 特別研究員
HABING H.J. ライデン天文台, 教授
DE Jong T. グローニンゲン宇宙科学研究所, 所長
KESSLER M.F. ヨーロッパ宇宙機構, 科学研究班主任
佐藤 康則 東北大学, 大学院・理学研究科, 学振 特別研究員
野口 邦男 国立天文台, 助教授 (10111824)
関口 和寛 国立天文台, 助教授 (20280563)
谷口 義明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40192637)
芝井 宏 (芝井 広) 宇宙科学研究所, 助教授 (70154234)
尾中 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30143358)
村上 浩 宇宙科学研究所, 助教授 (40135299)
出口 修至 国立天文台, 助教授 (20197825)
中田 好一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80011740)
松本 敏雄 宇宙科学研究所, 教授 (60022696)
奥田 治之 宇宙科学研究所, 教授 (50025293)
SUNADA Yoshikazu National Astronomical Observatory, Research Associate
CESARSKY C. サクレー研究所, 天体物理部, 部長
CESARAKY C サクレー研究所, 天体物理部, 部長
HESKE A 宇宙赤外線天文台, 科学研究班研究員
HABING H.J ライデン天文台, 教授
DO Jong T グローニンゲン宇宙科学研究所, 所長
KESSLER M.F ヨーロッパ宇宙機構, 科学研究班主任
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研究概要 |
本国際学術研究は、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が、1995年11月17日に打ち上げた高性能赤外スペース天文台(ISO)を利用した国際共同研究により、銀河形成期や恒星の誕生期及び終末期における激しい活動現象に伴い生成する宇宙塵から放射される赤外線を観測し、始源銀河の形成や恒星の誕生・終末期の進化を解明することを目的とするものである。 本研究ではまず、上記研究目的に沿って提案された数多くの観測プロポーザルが所期の目的通り効率良く観測されるように、ヨーロッパ側研究物と入念な協議を行ない、観測プロポーザルの最適化を行なった。さらに、得られた観測データから最大限の科学的成果を引き出すため、ヨーロッパ側研究者と共同でISOデータ解析方法を検討し、ソフトウェアを開発し、データ解析を確立した。 このような準備を経て、観測はほぼ順調に行われ、得られた観測データは、順次解析されている。解析されたデータはまだ一部であるが、現在までに以下のような科学的成果が得られている。 1.赤外多波長銀河サーベイにより、従来は不可能であった遠方にある始源銀河の探査を行ない、始源銀河の候補を数多く発見した。このサーベイは、今まで行なわれたもののうちで最も深いものであり、ヨーロッパ側から高い評価を受けている。 2.2型クエーサーの中間赤外域分光により、中心付近のダスト粒子による非常にコンパクトなトーラスの物理特性を明らかにした。 3.ISOによる光解離領域の観測では、従来光解離領域から同じように放射されると考えられていた原子・イオンの微細構造線と、水素分子の回転振動遷移線が空間的に異った分布をしていることが判り、従来のモデル計算の見直しが必要であることが明らかになった。 4.K型巨星からミラ型変光星に至る赤色巨星列に沿って観測したISO SWSによる赤外線スペクトル(分解能200-1,600)の一部について解析を行ない、これらの星の外層に温度1,000K前後、密度10^<+11>cm^<-3>程度の分子形成領域の存在が明らかとなった。これは、ミリ波COなどから知られている冷たい膨張分子雲とは明らかに別のものであり、これまで一般には知られていなかった温かい分子形成領域が存在することを示す。赤色巨星の温かい分子形成領域では分子のみならずダストの形成やそれに伴う流出ガス流の加速も可能と考えられ、これらの星の質量放出機構の解明にも重要な役割を果たすと考えられる。 5.進化の進んだ炭素星のISOPHTによる遠赤外線マッピングにより、過去に行なわれた質量放出の結果その周りに広がったと考えられるダストシェルの存在を明らかにした。これは、質量放出が周期的に行なわれることを示さし、質量放出の時間変化を観測的に明らかにする道を開いた。 マゼラン雲球状星団のISOCAMによる系統的な中間赤外域測光観測により、恒星進化の最終段階にあり激しい質量放出を行なっている、可視域、近赤外域では見えない厚いダストに覆われた赤外線星を発見した。これらの星は、球状星団に属するためその物理特性が良く判っており、恒星進化における質量放出の役割を観測的立場より明らかにする可能性を示すとともに恒星進化理論の検証のために重要である。
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