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重力レンズ効果を利用したダ-クマタ-の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044077
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関名古屋大学

研究代表者

村木 綏  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)

研究分担者 松原 豊  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
関口 真木  国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (40216528)
本田 守広  東京大学, 宇宙線研究所, 研究員
河辺 征次  高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 助教授 (10044786)
渡瀬 芳行  高エネルギー物理学研究所, データ処理センター, 教授 (70018662)
佐藤 修二  名古屋大学, 理学部, 教授 (50025483)
潤 寿岳  東海大学, 文明研究所, 教授 (50012795)
吉沢 正則  国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 助教授 (20126197)
宮本 昌典  国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 教授 (30012850)
SATO Fumitaka  Kyoto university professor
FUJIMOTO Mitsuaki  Nagoya university professor
KOBAYASHI Makoto  National High Energy Laboratory professor
BOND Ian  Riken, Researcher
JUGAKU Jyun  Tokai university professor
YOCK P.  Auckland university, New Zealand professor
HAYASHIDA Naoaki  Inst.Cosmic Rays, Univ.of Tokyo Assistant
NAKAMURA Takashi  Kyoto university professor
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1995年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
キーワードダ-クマタ- / 褐色倭星 / マッチョ / 重力レンズ法 / 銀河中心 / 大マゼラン星雲 / CCDカメラ / 惑星系 / MOA
研究概要

銀河の中には大量のダ-クマタ-と呼ばれる物質が存在していることが銀河の回転曲線から明らかになっている。このダ-クマタ-は光っている物質の十倍以上はあると考えられている。素粒子論の進展に伴いこの物質は宇宙初期に作られた重い素粒子ではないかとの議論が盛んに展開された。またニュートリノが質量を有しているためではないかとの可能性も考えられる。一方天文学者は大量の光らない太陽になりそこねた褐色倭星(マッチョ)が存在しているのではないかと考えている。しかし光らないため確認のしようがないと考えられていたが、1986年ポーランド出身のパッチンスキーが重力レンズを使えば確認できることを提案した。
重力レンズ方とは褐色倭星が遠くの星と地球を結ぶ直線上を横切った時褐色倭星の重力場で遠くの星の光りが曲げられ増光する現象を利用するものであり、増光時間は褐色倭星の質量の平方根にほぼ比例する。太陽の十分の一程度の褐色倭星はほぼ一ヵ月の増光時間であるのにたいして、木星ていどの惑星は一日程度で変動する。
1994年の秋、米国-オーストラリアの合同グループとフランスグループ、それにポーランドグループが初めてマッチョの重力レンズ法による観測に成功し、世界を震感させた。しかしデータ数はそれぞれ2〜3例であり、これではマッチョがダ-クマタ-の大部分を占めているか否か不明であり新しい実験をする必要があるとの結論になった。
我々は南天で最も長い夜が続き、かつ現地でのサポート体制が確保できかつ現地の研究者も参加できる点を考慮した結果、JANZOS実験の発展としてNZのMt.John天文台を観測サイトとして選択した。現地には60cmのカンタベリ-大学の望遠鏡があり、また現地在住のNZの観測者からのサポートも得られるのが大きなメリットである。
計算のよると百万個の星を観測して一個のマッチョが見つかるとの予測なので、できるだけ星が密集しているような大マゼラン星雲や銀河中心方向を広視野の望遠鏡を使用して観測する必要がある。
そのため6月と8月 村木と寿岳が日本側の進行状況の報告と今後の実験計画の打ち合わせのためにNZに出かけ オ-クランド大学、カンタベリ-大学およびビクトリア大学の研究者とのミーティングを持ち責任分担を明確にした。その中で日本側は大面積カメラの製造を、NZ側は60cmの望遠鏡の広視野化を受け持つことが確認された。日本側はカメラの機種として、観測が国際競争になっている側面を考慮して、国立天文台で開発された実績のあるモザイクCCDカメラを急ぎ製造することにした。1cm×1cmのCCDを9個、3×3のモザイク状に配置したCCDカメラを制作することにした。かねてから準備していたこともあり9月にはNZへ輸送することができた。同時に今まで経験したことのない大量のデータを高速に読み込む必要があるため 回路系や読み出しシステムの高速化にも力を入れてきた。12月にはさらに調整作業を実施した。
その結果、平成8年1月にはオメガセンタリ等、球状星団の美しい撮像に成功、また平成8年3月にはついに液体窒素を使って、目的の大マゼラン星雲の観測に入った。幸いにも国際学術研究が平成9年度からも認められており、大きい成果が得られると期待している。特に短周期で変動する惑星に対応したマッチョの発見は激しい国際競争になっているのが現状で、我々も重力レンズ法で我々の兄弟星である惑星系の発見をしたいものであると考えている。

報告書

(1件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] Y.Muraki et al: "MOA project in New Zealand" Proceed.2nd Int.Conf.on Gravtational Microlensing Surveys(pubbished by ORSAY LAB.). 1. 359-367 (1996)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Fujimoto et al: "High-Velocity Oblique Cloud Collisions and Gravitational Instability of aShock Compressed Slab with Rotation" Publ.Astron.Soc.Japan. 47. 271-285 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.YIYAMOTO Y.YOSHI: "ASTROMETRY FOR DETERMINING THE MACHO MASS AND TRAJECTORY" THE ASTRONOMICAL JOURNAL. 110. 1427-1437 (1995)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Miyamoto,Y.Yoshii: "DESIDERATUM OF ASTROMETRY FOR GRAVITATIONAL MICROLENSING EVENTS" Proceed.of joint RGO-ESA workshopon Futire Possibilities for Astronomy. SP379. 121-124 (1995)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Yoshizawa: "New Astrometric Instrumentation in Japan" Proceed.of IAU symposium. 166. 31-34 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kan-ya,R.Nishi and T.Nakamura: "Microlensing and Halo models of the Galaxy" Publ.Astron.Soc.Japan. (in press). (1996)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 藤本光昭: "われわれの銀河系の中心で起きている謎の現象(訳)" 丸善出版, 10 (1995)

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    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y.Muraki et al: "MOA project in New Zealand" Proceed.of 2nd Int.Conf.on Gravitational microlensing surveys (publ.ORSAY lab., France). 1. 359-367 (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Fujimoto et al: "High-Velocity Oblique Cloud Collisions and Gravitational Instability" Publ.Astrn.Soc.Japan. 47. 271-285 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Miyamoto and Y.Yoshii: "Astronomy for determing the Macho mass and trajectory" The Astronomical Journal. 110. 1427-1432 (1995)

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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] J.Jugaku, K.Noguchi and S.Nishimura: "A search for Dyson spheres around Late-Type stars in the solar neighborhood" Progress in the search for Extraterrestorial Life (ASP conference). 74. 381-385 (1995)

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    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M.Yoshizawa: "New Astrometric Instrumentation in Japan" Proceed.of IAU symposium. 166. 31-34 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kan-ya, R.Nishi and T.Nakamura: "Microlensing and Halo models of the Galaxy" Publ.Astron.Soc.Japan. (in press). (1996)

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      1995 研究成果報告書概要

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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