研究分担者 |
DUVAL AnneーM 土木技術研究所, 研究員
LACHET Corin ジョセフ, フーリエ大学・地球内部・構造物理学研究所, 研究助手
MENEROUD Jea 土木技術研究所, 研究員
WOGEMAN Nath ジョセフ, フーリエ大学・地球内部・構造物理学研究所, 研究員
RIEPL Judith Joseph Fourier大学, 地球内部・構造物理学研究所, 研究助手
COTTON Fabri Joseph Fourier大学, 地球内部・構造物理学研究所, 研究助手
GARIEL Jeanー 原子力保全研究所, 研究員
CAMPILLO Mic Joseph Fourier大学, 地球内部・構造物理学研究所, 教授
BOUCHON Mich Joseph Fourier大学, 地球内部・構造物理学研究所, 主任研究員
BARD Pieereー Joseph Fourier大学, 地球内部・構造物理学研究所, 研究員
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (50161196)
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80211762)
蓬田 清 広島大学, 理学部, 助教授 (70230844)
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
横井 俊明 建築研究所, 研究員 (50231684)
笹谷 努 北海道大学, 理学部, 助教授 (10002148)
GARIEL Jean-Christphe Nuclear Safety Inst., Senior Researcher
WOJENIAN Nathalie LGIT,Joseph-Fourier Univ., Res.Assistant
ANNE-MARIE Duval Inst.of Civil Engineering, Researcher
WAJEMAN Nath ジョセフ, フーリエ大学・地球内部・構造物理学研究所, 研究員
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研究概要 |
1995年兵庫県南部地震の例をとるまでもなく,地震規模としては最大級でない地震(M7クラス)であっても都市直下で生じた場合には甚大な地震動災害が発生する.都市が活断層に囲まれた我が国においてのみならず,フランス国においても同程度の規模の内陸型地震による災害の危険度予測が必要とされている.このような中規模地震発生の予知は現段階では不可能であり,災害軽減のためには強震動予測が重要である.直下型地震による強震動予測は,地震波の発生・伝播経路の複雑さのために困難とされてきたが,高精度強震動観測システム等の観測技術や地震波の発生・伝播の数値シミュレーション手法の発達に基づく数々の強震動予測手法の提案が近年なされ,その精度よい予測が可能となってきた.これらの研究には,共通の強震動データベースに適用され,その長所短所を議論することが重要である. 本研究においては先ず,既存地震データ及び予測手法の整理とそれにもとづく共同研究を行った.具体的には,日仏両国で強震動研究に利用できる強震動記録及び地質情報のデータベース化を行った.日本においては1995年兵庫県南部地震の京阪神地域の観測網,フランスにおいてはUbaye盆地でのアレイ地震記録,ギリシャにあるECによる強震アレイ(Euroseistest)のデータ及び地質情報を収集整理し,インターネットを通じて相互利用できるようにした.次に,多数の観測記録に基づく観測的及び半経験的手法で強震動予測の成果をあげてきた日本と,主として波動理論的手法で成果をあげてきたフランスの研究者が各々開発してきた強震動予測手法の比較を中心とした研究打ち合わせを行った.日仏研究者が双方に相手方を訪問し,強震動予測手法についての意見交換,同一データセットに対して異なる強震動予測手法からアプローチを行くことによる各々の手法の適用性とその限界のチェックを中心とした手法の比較検討を行った. 次に,整理されてきた1995年兵庫県南部地震に関連した強震動記録や地下構造資料をもとに,震源過程の再吟味,及び理論的・半経験的手法を中心とした強震動予測を行って実記録や被害との比較を行い,直下型地震による強震動予測手法の検討を両国からの研究者を派遣しあうことによって共同に進めた.また,密な観測データのあるEuroseistest(ギリシャ)や足柄平野,釧路(日本)における記録を用いて観測的手法として行われてきたサイト特性評価手法を地震記録,微動記録の解析に適用し,それらの観測的事実からの適用性及びその限界についての議論を行った.これらの解析手法や結果の吟味は,本共同研究によって統一的に議論され,各地方,各研究グループで行われていた結果をとりまとめることによって解析手法に対する共通の理解がなされた. また,それらの成果を中心に,平成9年1月にフランス国ジョセフフーリエ大学において,日本側及びフランス側研究者が一同に会して強震動予測に関するシンポジウムを開催した.フランス側のバ-ド博士の呼びかけにより,本共同研究参加者のみならず,ヨーロッパを中心として各国からの強震動研究者が参加し,研究発表及び討議を行い,強震動予測手法に関する現在の到達点,問題点を議論した.この研究シンポジウムにおいては,本共同研究代表者及び分担者を中心として理論的手法及び観測的手法に基づく最新の強震動予測手法,特に前述の兵庫県南部地震記録や高密度アレイデータを用いた研究が多く発表されて各研究者の現状の到達点が理解されたとともに,十分な時間を使った議論が行われたため,各手法の物理的意味に基づく長所,短所やそれらの適用性についての現時点でのコンセンサスを得ることができた.これらの研究発表を中心として,本共同研究の2年間の研究成果が報告書としてとりまとめられた.
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