研究分担者 |
CORBUNOV Leo レベデフ物理研究所, 固体物理学科, 教授
ANDREEV Niko 高エネルギー密度センタープラズマ研究部, 部長
SIDERS Craig LANL, 研究員
DOWNER Miche テキサス大学, オースチン校物理学科, 教授
古沢 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20251374)
柴田 裕実 (柴田 裕美) 東京大学, 原子力総合センター, 助教授 (30216014)
川久保 忠通 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 教授 (70044774)
中西 弘 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (00044769)
中島 一久 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部, 助教授 (80164177)
KIRSANOV Vic 高エネルギー密度センター, 上級研究員
FALCONE Roge カリフォルニア大学, バークレー校物理学科教授, 教授
TAJIMA Toshi テキサス大学, オースチン校物理学科教授, 教授
ILAN Ben-Zvi Broolhaven National Laboratory
MATHIEUSSENT Gilles University of Paris, SUD
CROS Brigitte University of Paris, SUD
MILCHEBERG Howard University of Marvland
CHATTOPADHVAV Swapon Lawrence Berkelev National Laboratory
LEEMANS Wim Lawrence Berkelev National Laboratory
MOUROU Gerald University of Michigan
WURTELE Jonathan University of California, Berkelev
WHITTUM David Stanford Linear Accelerator Center
CHEN Pisin Stanford Linear Accelerator Center
KATSOULEAS Tom University of Southern California
GORBUNOV Leo レベデフ物理研究所, 固体物理学科, 教授
MOUROU Geral ミシガン大学, 超高速光科学センター, センター長
MILCHBERG Ho メリーランド大学, 物理科学技術研究所, 助教授
LEEMANS Wim ローレンスバークリー研究所, ビーム物理センター, 研究員
WURTELE Jona カリフォルニア大学, バークリー校・物理学科, 教授
CROS Brigitt パリ大学, プラズマ研究所, 研究員
WHITTUM Davi スタンフォード大学, 線形加速器センター, 助教授
SHATOPADHYAY シャボン ローレンスバークリー研究所, ビーム物理センター, センター長
FISHER David テキサス大学, オースチン校物理学科, 研究員
PERRY Mike ローレンスリバモア研究所, 主任研究員
KATSOULEAS T 南カリフォルニア大学, 電気光物理学科, 助教授
DANGOR A.E. インペリアルカレッジ, 物理学科, 講師
GORUBUNOV Le レベデフ物理学研究所, 固体物理学科, 教授
SIDERS Claig テキサス大学, オースチン校物理学科, 研究員
MATHIEUSSENT ジル パリ大学, プラズマ研究所, 研究所長
田島 俊樹 テキサス大学, オースチン校物理学科, 教授
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研究概要 |
高エネルギー物理学が加速器に要求するビームエネルギーはエスカレートする一方である.しかし現在の加速法では加速勾配が100MeV/m以下に限られているため,到達できるエネルギーには制限がある.プラズマとレーザーによる加速はこの限界を打破することを目的に研究されている.とくに近年の成果にはめざましいものがあり.10GeV/mを越える加速勾配の実証がつぎつぎと報告されている. この研究はいまや原理実証の段階を脱却し,実用加速器の設計・試作の段階へ進もうとしている.これに伴い多くの研究者がこの研究に参加するに至り,学界でも世界的に一分野を形成するに至った.しかし実用加速器への道は険しく,国際協力が是非とも必要である. この様な状況の下でこの科研費による国際協力は,われわれが所有するハードウェアを用いる実験を軸として行われた.実験に用いた電子ビームは東京大学工学部原子力工学実験施設の線形加速器のもので,エネルギー17MeV,単バンチ運転が可能で,バンチ電荷は約150pCである.またこれらの実験には,半値パルス幅100fs,出力2TW,中心波長790nmのT^3(テーブルトップ・テラワット)チタンサファィアレーザーが用いられた. 初年度はこれらのハードウェアの設営と立ちあげにあてた.またrfレーザーカソード電子銃の開発のための予備実験を行った.本格的な実験は今年度に始まった.以下の研究を行った. -気体中のレーザーの伝搬の研究 -フェムト秒レーザービームとピコ秒加速器電子ビームの同期技術の確立 -レーザー航跡場による加速器電子ビームの加速 -rfレーザーカソード電子銃の開発 これらの研究の多くは東京大学工学部原子力工学実験施設と,日本原子力研究所関西研究所との共同研究として行われた. 気体中のレーザーの伝搬の研究では3つの発見があった.光導波路の形成、レーザーの異常な青方遷移,およびジェット現像である.これらの現像は従来の理論では説明がつかない.テキサス大学および高エネルギー密度センター(ロシア科学アカデミー)の専門家を招聘し,理論の構築およびシミュレーションを行った. フェムト秒レーザービームとピコ秒加速器電子ビームの同期技術の確立においては,国際学術研究のおかげでLBL,BNLにおける経験を参考にすることが出来た. 加速実験は,この実験は初めてT^3レーザーを用いたこと,テストビーム発生に本格的な線形加速器を用いたことの2点で革新的である.得られたデータにはすくなくともふたつの意味がある.第1は最大100MeVをこえるエネルギー利得が観測されたことで,これは世界新記録である.このエネルギー利得は加速距離が回折で決まるものとして計算した値より一桁大きい.光導波路の形成が寄与した結果と思われる. 第2は,加速機構が,KEK/阪大レーザー研やRALで実験された自己変調加速とは異なり,線形プラズマ波によるものと思われることである.この機構は人為的な制御が容易であるという特徴があり,加速法の実用化に結びつくと期待されている. しかし加速機構の物理を議論するにはまだデータが十分とはいえない.現在はパリ大学とテキサス大学で行われたレーザー干渉法による航跡場測定を日本で試みている段階である.この測定の立ちあげにはパリ大学のスタッフが,また測定が本格化した段階ではテキサス大学から原研に就職したスタッフが寄与している.このような人事交流はこの国際学術研究の大きな成果である. rfレーザーカソード電子銃の開発は,日本で設計し,BNLで製作とテストを行うという方法で進んでいる.ほぼ電子銃は完成を見たので,来年度はこの電子銃を東京大学工学部原子力工学実験施設の線形加速器の部品として使う予定である.
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