研究課題/領域番号 |
07044098
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
都留 常暉 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (60044781)
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研究分担者 |
J.P. ペイニュー アネシー素粒子物理学研究所(仏), 教授
YU.D. プロコシュキ 高エネルギー物理学研究所(ロシア), 教授
J.P. ストルート 欧州核物理学研究所CERN(スイス)、核物理学国際研究所IISN(伯), 教授
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
清水 肇 山形大学, 理学部, 教授 (20178982)
中川 武美 東北大学, 理学部, 助教授 (70004348)
高松 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (40013370)
稲葉 進 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (10013434)
PROKOSHKIN Yu.D IHEP,Protvino, Russia
PEIGNEUX J.P LAPP,Annecy, France
STROOT J.P CERN,Switzerland
ペイニュー J.P. アネシー素粒子物理学研究所(仏), 教授
プロコシュキン Yu.D 高エネルギー物理学研究所(ロシア), 教授
ストルート J.P. 欧州核物理学研究所CERN(スイス)、核物理学国際研究所IISN(伯), 教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
21,100千円 (直接経費: 21,100千円)
1996年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
1995年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | Meson Spectroscopy / Exotir Mesons / Glueball / Hybrid / QCD / Non qq meson / sigma particle / non-perturbatire / quark model / 中間子分光学 / エキゾティック中間子 / グル-ボール / ハイブリッド / 量子色力学 / 非フォーク対中間子 / シグマ粒子 / 非摂動論 / 多重クォーク中間子 / 非クォーク対中間子 / クォークモデル |
研究概要 |
本国際共同研究(GAMS)は1995-96年の2年度に渡る研究計画である。本共同研究は標準理論の1つである量子色力学(QCD)の検証に不可欠な軽クオーク中間子の共鳴状態の研究、なかでも非クオーク・反クオーク対中間子(エキゾテイック中間子)の探索研究を目的としている。欧州原子核研究機構(CERN,ジュネ-ブ)における加速器(450GeV・SPS)の陽子ビームを用い、分光検出器(GAMS4000)による実験のデータ収集並びにNA12/2実験の解析研究を行うと同時に、ロシア連邦高エネルギー物理学研究所(IHEP,プロトビノ)における加速器(70GeV・PS)のπ^-ビーム用い、分光検出器(GAMS2000)によるデータ収集並びに実験データの解析研究を行った。他方高エネルギー物理学研究所においても12GeVPSにおいて同様の研究を進めており、本共同研究はCERN,IHEP及び高エ研での相補的な研究となっている。又共同研究は検出器系の開発にも力を注ぎ、高性能電磁シャワーカロリーメーター、高速エレクトロニクス等の開発研究を行った。又研究を発展させるべくCERNでの次期計画の検討を行い、CERNのポロポーザル採択委員会に計画(COMPASSと呼ばれる計画)を提出し承認された。 1.CERNへの派遣:1995年4-8月及び1996年4-7月にはCERNに研究者を派遣し、分光検出器(GAMS+OMEGA、実験課題WA102)によるデータ収集に参加した。1995年10-12月、3月、1996年9月、1997年3月に研究者を派遣しデータのまとめ、論文発表の準備をした。又将来の研究計画(COMPASS)を検討した。 2.IHEPへの派遣:1996年10-12月にIHEPに研究者を派遣し分光検出器(GAMS4π)によるデータ収集を行った。1997年3月に研究者を派遣しデータのまとめ及び次期計画の進め方の議論をした。 3.外国人研究者の来訪、招聘:1995年11-2月、1996年7-9月にはIHEPから研究者を招聘し電磁シャワーカロリメータ用のフロントエンド電子回路の開発研究を行った。1995年7月、1996年10-11月にCERNより研究者が来訪しデータのまとめ、論文発表の検討、次期計画の議論をした。1997年1-2月にはIHEPより研究者を招聘し電磁シャワーカロリメータ用の素材、タングステン酸鉛シンチレーターの開発研究を行った。 4.また国内では高エ研をセンターとして宮崎大、山形大等において解析が行われた。又高性能電磁シャワーカロリーメーター、高速エレクトロニクス等の開発研究を行った。鉛ガラスに代わる新しい素材タングステン酸鉛の研究が行われ、次期計画への採用の見通しを持つに至った。また次期計画で要求される仕様を満たす電磁シャワーカロリーメーターのフロントエンド電子回路、ADC回路は市販品として存在しない。このためこの回路の心臓部をなすQVC(charge-to-voltage converter)のフルカスタムICの開発を進め、分解能10ビット、ダイナミックレンジ12-13ビット、変換時間3マイクロ秒のチップの実現の見通しを持った。 5.研究成果: 1)ηπ^o系の解析を進めスカラー中間a^o(980)について新しい知見を得た。 2)他方ηπ^oπ^o系の解析が進み、η(1400),η(1290),f_1(1285)を確認した。 3)ππ系で質量500-800MeV近傍にスカラー共鳴の存在を示唆する論文をまとめ発表するなど成果を公表した。 4)IHEPでの実験でのηπ^o、π^o系等の結果がまとめられた。 5)CERNの実験(WA91、WA102)の結果がまとめられた。 6.国際会議等への寄与、論文発表:1995年7月のハドロン95国際会議(マンチェスター、英国)には6編以上のGAMS共同研究による発表が行われたππ系で質量500-800MeV近傍にスカラー共鳴の存在を示唆する論文をまとめ発表するなど成果を公表した。このスカラー共鳴はカイラル対称性の破れから出てくるσ粒子ではないかと注目されている。日大グループとの共同研究が行われた。CERNのWA102実験での解析からグル-ボールの検証のための重要な手がかりを掴む手法を示した。 7.次期計画の承認:この期間、次期計画の準備を進めた。CERNの加速器(SPS)による固定標的を用いた3実験がCERNの指導のもとにCOMPASS実験計画としてまとめられた(1997年2月研究評議会で)。GAMSグループは電磁シャワーカロリメータ系を分担すべく開発を含め準備を行った。 8.IHEPとの研究協定:平成7年10月にIHEP-KEK間のGAMS共同研究協定の5年間延長が両研究所の間で行われた。
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