研究分担者 |
BONNAMY S 微粒子研究所, 主任研究員
KOTOSONOV A 国立グラファイト研究所, 教授
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90126938)
菱山 幸宥 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90061499)
王 正徳 清華大学, 材料系, 助教授
BONNAMY Syiv 微粒子研究所, 主任研究員
KOTOSONOV Al 国立グラファイト研究所, 教授
BONNAMY Sylv 微粒子研究所, 主任研究員
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
充分デザインされた機能を持つグラファイトフィルムを調製し,応用するための基礎科学および工学を確立することを目的とし,芳香族ポリイミドフィルムを前駆体に選び,その構造,組織の設計および制御を検討すると共に,それらと機能との関係を検討した. 1)構造の設計,制御と評価:芳香族ポリイミドフィルムから,簡単な高温加熱処理によって,クラックやポア-の無いカーボンおよびグラファイトフィルムが得られることを明らかにした.芳香族ポリイミドフィルムから高結晶性のグラファイトフィルムを得るためには,以下の3つの条件,すなわち,(1)高い平面性を持つ分子であること,(2)平面分子がフィルム面に対して高度に配向していること,(3)炭素化・黒鉛化処理の過程での脱ガスによってこの配向が乱されないこと,を満足させる必要のあることを明らかにし,高結晶性フィルムを合成した. 2)機能の制御と評価:グラファイト構造への変化の段階での機能,特に電磁気機能の評価を行い,イミド分子中の窒素が2100〜2200℃の高温まで残留し,グラファイト構造の発達を抑制していることを明らかにした.この残留した窒素は炭素の六角網平面中に炭素原子を置換固溶している.2300℃付近での窒素の放出は急激で,フィルムを変形させる.従って,高結晶性のグラファイトフィルムの調製には,2200℃付近にいったん保持し,充分窒素ガスを放出させることが必須要件である. 3)機能の拡張:ボロンおよび鉄のド-ピングを行うとともに,それら異種原子の状態を種々の手法によって検討した.ボロンはポリイミド分子の熱分解の過程でその窒素と反応し,ペア-を作って炭素六角網面中に存在することを明らかにした.鉄については,炭素化の段階で凝集し,鉄微粒子が分散したカーボンフィルが得られることを,XRDおよび磁性測定から明らかにした.グラファイト構造中への窒素のド-ピングの可能性も示唆された.
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