研究課題/領域番号 |
07044114
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江刺 正喜 東北大学, 工学部, 教授 (20108468)
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研究分担者 |
DE Rooij N.F ヌーシャテル大学, 微細加工研究所, 教授
SCHMIDT M.A. マサチューセッツ工科大学, 電気・電子計算機学科, 助教授
SENTURIA S.D マサチューセッツ工科大学, 電気・電子計算機学科, 教授
小野 崇人 東北大学, 工学部, 助手 (90282095)
芳賀 洋一 東北大学, 工学部, 助手 (00282096)
倉林 徹 東北大学, 工学部, 講師 (90195537)
南 和幸 東北大学, 工学部, 講師 (00229759)
ROOIJ N.F.de Institute of Micro technology, Univ.of Neuchatel
李 榮泰 東北大学, 工学部, 助手 (90271874)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 振動子 / センサ / 振動形センサ / 角速度センサ / 原子間力顕微鏡 / 容量検出 / 静電駆動 / 静電サーボ / 自動振動 / 振動型センサ / 赤外線センサ |
研究概要 |
シリコンマイクロマシニングにより微細な機械的振動子を製作し、高機能な振動型センサを実現するために、要素技術の開発から実際のセンサの試作まで、種々の研究を行った。以下に研究実績を記す。 1.微小振動子の製作技術については、厚さが1μm以下の単結晶シリコンの片持ち梁を1μm以下の狭い間隔でガラス基板の上に形成する技術を完成した。ガラス側には静電駆動や容量検出用の電極が形成されており、原子間力顕微鏡(AFM)用の容量形プローブなど極めて高感度な振動形センサがこれによって可能になる。この製作においては、エッチング後の乾燥時に水の表面張力によって薄い振動子が基板等への貼り付く現象が生じないようにすることが重要である。このため低表面張力のフロリナ-トを用いた乾燥法を新たに開発した。 2.微小振動子の真空封止のパッケージングの技術について研究した。大きなQファクターの振動子を実現するには、気体分子によるダンピングを避けるために振動子を真空封止する必要がある。このため、非常発型ゲッタを内蔵して真空中で陽極接合する技術を開発して、センサの製作に用いた。また、小型実装のために、振動子を含むデバイスをフェイスダウンポンディングできる技術を開発した。 3.シリコン微小振動子の励振と検出の両方を静電的に行う角速度センサを開発し、動作を確認した。またこのセンサのために励振と検出を静電的に行う回路、自励振動回路、DC電圧で共振周波数を一定に保つ静電サーボ回路などを製作・動作確認を行い、必要とされる回路技術を確立した。 4.微小振動子を電磁駆動し、容量で検出する角速度センサを試作した。ガラスとシリコンの陽極接合技術を用いてパッケージングされた状態で高いQファクターをもつシリコン振動子を実現することができ、センサとしても動作することが確認できた。また、センサ微小振動子の微細加工に用いるRIE装置を新たに試作して検討を行い、異方性の高い加工が行えることを確認した。 5.微小振動子に実現に必要なシリコンの細い梁を作成するプロセスとして、熱酸化膜とXeF_2を用いたドライエッチングを組み合わせた微細加工技術を開発した。このために、新たにドライエッチング装置を試作し、改良を重ねた。この結果、必要とされる正方形に近く、かつ1辺の寸法が60μm程度の断面形状の梁を製作できることを確認した。 6.センサの感度を向上させるための大振幅の振動を励起する方法として、圧電薄膜を用いた振動形センサの検討を行った。膜堆積プロセス、膜の圧電特性などを含めた評価・検討を行い、堆積方法や圧電特性の問題点、および圧電薄膜を用いた振動形センサの有用性について明らかにした。今後、堆積方法の改良を含めた圧電特性の良い圧電薄膜の堆積技術が必要であることが分かった。 7.高いQファクターの振動子を製作するには、内部欠陥の少ないシリコンを用いることが非常に有望であることが分かったが、さらにQファクターを向上し、センサの感度をあげるためには、機械的な構造、振動方式の改善も必要であることが分かった。今後、この点についても検討して行くことが重要である。
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