研究課題/領域番号 |
07044121
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70161809)
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研究分担者 |
島野 亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40262042)
花村 榮一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70013472)
MAZUMDAR Sum Department of Physics, University of Ariz, 準教授
PEYGHAMBARIA ナサー Optical Sciences Center, University of Ar, 教授
MAZUMDAR Sumitendra Department of Physics, University of Arizona
SUMITENDRA M Department of Physics, University of Ariz, 準教授
NASSER Peygh Optical Sciences Center, University of Ar, 教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 励起子ストリング / 電荷移動励起子 / 光誘起伝導 / 励起子分子 / 非線形光学 / フェムト秒分光 / 非古典光 |
研究概要 |
本研究では、申請者とアリゾナ大学Peyghambarian教授のグループが共同で有機電荷移動錯体における多励起子束縛状態の安定性と非線形光学効果について理論と実験両面から追求することを目的とする研究である。 理論面では解析的な手法(東大花村)数値計算理論(アリゾナ大Mazumdar)により、多励起子状態の電子状態を詳細に調べた。特に多励起子束縛状態の波動関数の形状と多励起子束縛状態が安定化するための条件について明らかにした。また、多数の励起子が量子論的コヒーレンスを持つ場合に放出される光が非古典的になることを示した。 実験面では擬1次元系でのクーロン相互作用による効果としてこれまでの多励起子束縛状態の分光学的研究に加え、低次元系に特有な伝導現象にも着目した。その結果、アントラセンPMDA結晶において励起子と電荷の結合状態を媒介とする新しい電荷輸送現象を見いだした。光によって電荷移動励起子を生成するとそれまで局在していた電荷が電界の方向に引かれて移動することが明らかになった。これは中性の励起子が長距離クーロン相互作用によって電荷と結合し、その結合状態を媒介として電荷の輸送が行われることを示した。これは、光励起による伝導、反応、エネルギー輸送について新たな知見を与えるものであり、様々な分野にインパクトを与えうる成果であると思われる。この機構をよりミクロな立場から解明するために今後も理論実験両面から共同研究を続ける事となった。
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