研究課題/領域番号 |
07044123
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢川 元基 東京大学, 大学院・工業系研究科, 教授 (40011100)
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研究分担者 |
井門 俊治 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40135752)
邉 吾一 日本大学, 生産工学部, 教授 (90060079)
酒井 譲 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90114975)
関東 康裕 豊橋技術科学大学, エネルギー工学系, 助教授 (60177764)
古川 知成 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10272395)
奥田 洋司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90224154)
吉村 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90201053)
ATLURI Satya ジョージア工科大学, コンピューテーショナル モデリングセンター, 教授
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 超並列 / 計算固体力学 / 数値流体力学 / コンピュータネットワーク / ニューラルネットワーク / 発展的アルゴリズム |
研究概要 |
「超並列流体解析およびニューラルネットソルバの開発」 超並列計算機環境に適した流体解析手法として、Element-by-Element処理に基づく有限要素法流れ解析のデータ並列化を行い、KSR、T3Dなどにおける並列化効率の検討を行った。また、相互結合型ニューラルネットワークのエネルギ最小化過程における各ニューロンの非同期的、自律的状態遷移に注目し、連立1次方程式の解法としてのニューラルネットワークを提案、非圧縮性流れ解析の圧力ポアソン方程式へ適用した。 「メッシュレス法の開発」 節点情報をベースとした解析手法としてメッシュレス法を提案し、従来のデラウニ-三角分割との比較などを通じてその精度、効率に関する基礎的検討を行った。また、超並列計算機上での効率評価を行った。 「メッシュレス有限要素法のアダプティブ法への適用」 メッシュレス有限要素法は、要素情報を持たないため、入力データの作成が容易であり、特に並列計算では通信量を小さくするこができるという利点がある。しかしながら、計算に先だって、節点間の関係を求める必要があり、計算量の増大につながっている。一方、アダプティブ法では、有限要素メッシュを改善しながら、再計算を行うため、各再計算毎にリメッシュのコストがかかっている。そこで、これらを組み合わせることにより、両者の欠点を低減できると見込まれる。本研究では、まず、アダプティブ法において要求される節点発生手法について検討し、これをメッシュレス有限要素法へ適用した。その結果、h法、r法への適用性が確認され、計算量の増加もそれほど大きくないことが分かった。 「メッシュレス法の二次元流体解析への応用」 矢川らにより開発されたメッシュレス法を二次元定常粘性流れ場解析に応用した。定常粘性流れ場解析では、流速に関する補間関数を圧力の補間関数より、1次元高い多項式によらねばならないため、矢川らの手法がそのままでは適用できなくなる。そこで流速に関しては2次多項式を圧力に関しては1次多項式を用いることにすると、初期節点データをもとに、圧力に関する1次三角形要素分割は矢川らの方法で作成が可能であり、これを素分割とする。さらに三角形要素の中間節点を自動作成することによって2次三角形要素分割が比較的容易に準備できる。以上により作成された節点データをもとに、定常流れ場解析を実行した。解析精度は従来の有限要素法と同等であり、節点データのみの入力により、簡易に解析ができることが示された。 「エージェントを用いた自律思考型要素自動分割」 有限要素法の発展と共に解析対象が複雑化・大規模化し、前処理の負荷が大きくなっている。本研究では、人工生命の概要を取り入れ、理想的メッシュを要素自身に考えさせる自律思考型要素自動分割を試みた。従来の方法では節点間のコネクト情報から要素を作成するのに対し、解析境界内の要素を一種の人工生命であるエージェントとし、節点情報等を持たせ、分裂増殖させることで、要素と節点を同時に派生させ境界内全体を分割する。さらに、FMMに対応すべく、従来のプリ処理とソルバーの境を無くし、要素剛性計算を要素毎で並列計算、全体剛性マトリックスを組み立てる並列ソルバーを構築し、並列計算に伴うシステムコストについて明らかにしたとともに、非並列ソルバーとの計算速度の比較を行った。これにより、並列化に伴うシステムコストが大変高いことが定量的に明らかになったが、本研究で構築した並列化ソルバーはCPU数を増すことで、非並列化ソルバーよりも単位CPUでの計算時間の短縮が行えた。 「連続探索空間のための進化的アルゴリズムとその逆問題への応用」非破壊検査やパラメータ同定などの逆解析の分野は,材料の非線形を考慮する上で多大な計算費用を要するため,超並列計算力学の広く応用されなければならない。本研究ではまず第一歩として,非線形逆問題に効率的よく応用できる並列型計算手法である進化的アルゴリズムを提案し,システムとして開発した。さらに,本アルゴリズムを材料物性値同定などの実問題に応用し,従来の手法では不可能であった問題を解くことに成功し,その有効性を確かめた。
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