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第三世代のバイオセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07044129
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東京大学

研究代表者

軽部 征夫 (輕部 征夫)  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)

研究分担者 THORMAS Dani  コンピエーヌ工科大学, 酵素工学科, 教授
COMTAT Mauri  ポールサバティエ大学, 物理・電気化学研究所, 教授
MARTY JeanーL  ペルピニャン大学, 応用複合領域研究所, 教授
COULET Pierr  リヨン大学, 酵素遺伝子研究所, 教授
THEVENOT Dan  パリ大学, 化学科, 教授
野村 陽子  日本学術振興会特別研究員, 特別研究員
佐々木 聰 (佐々木 聡)  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70262110)
矢野 和義  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40262109)
池袋 一典  東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (70251494)
THOMAS Danie  コンピエーヌ工科大学, 酵素工学科, 教授
澤田 慎矢  日本学術振興会, 特別研究員
六車 仁志  日本学術振興会, 特別研究員
増地 矢恵子  東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員助教授 (70270907)
松川 律子  東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員助教授 (70112943)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1996年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1995年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
キーワードシアン / リン酸 / 人工ダイアモンド / 遺伝的アルゴリズム / マルチバイオセンサー / 水質モニタ用センサー / 環境計測
研究概要

(1)環境計測用マルチバイオセンサーの開発
我々の生活の源である河川の汚染で富栄養化などの河川の汚濁と並んで深刻なのが毒物の混入である。その中でもメッキ工場などから流れ込むシアンは猛毒で、その濃度によっては死に至る危険性がある。
簡便な操作でシアンの混入を早期検知することを目的として、微生物を用いたシアンセンサーを製作した。
生物にとって猛毒であるシアンを早急に検知するには、微生物を用いるのが最も有効である。しかも、生態系に無害であるので環境計測用センサーに適していると考えられる。以上の理由により、本研究においては微生物の呼吸活性を利用したシアンセンサーを開発することを試みた。そして将来的には実際に河川においてのオンライン計測に応用できるシアンセンサーの開発を目指し、作成したシアンセンサーの特性評価を行った。ペルピニャン大学のMatry教授のグループがもつ豊富な環境汚染物質測定技術による評価法との比較を行い、本センサーが有用であるとの結論を得た。
(2)マルチチャンネル型バイオセンサーの開発
河川の汚濁の代表的な例として富栄養化現象が挙げられる。富栄養化現象の要因は、水棲生物にとっての制限因子であるリン酸などの栄養塩類のダム、湖沼への流入である。本研究では、簡便かつ迅速なリン酸測定を行うために、酵素を分子認識素子とするリン酸計測システムを開発することを目的とした。分子認識素子としてはピルビン酸オキシダーゼ(Pyruvate oxidase,E.C.1.2.3.3:PyrOx)を用いた。1段階の酵素反応を用いるので、試料中の共存物質の影響が少ないと考えられる。また酵素反応の検出にはルミノール化学発光を用い高感度な検出を目指した。システムとしては、連続的な測定が可能で、再現性のよい測定ができるフローインジェクションアナリシス(FIA)を用いた。また本研究で使用する市販のPyrOxの酵素溶液中には安定化剤として少量のリン酸が含まれている。この影響を取り除くためにもFIAシステムの中で酵素を固定化して、リン酸の測定を行うのが有効であると考えられる。
本研究では、PyrOxの酵素反応生成物である過酸化水素をルミノール化学発光を利用して検出することでリン酸センサーの高感度化を試みた。この化学発光(CL)分析法はエレクトロニクス技術の進歩と相まって、感度が高いこと、装置化が容易なことから活発な基礎および応用研究が展開されている。この化学発光法と連続流れ分析であるFIAの検出手段を組み合わせることにより、リン酸計測システムの高感度化、簡便化、迅速化が可能になると思われる。
本研究で用いたルミノールは、過酸化水素の存在下において、ペルオキシダーゼを触媒として発光する。過酸化水素は各種のオキシダーゼの作用で生成するので、オキシダーゼ反応とルミノール反応を組み合わせると発光量を指標として基質やオキシダーゼ活性の測定が可能である。従って、ピリビン酸オキシダーゼ反応により生成した過酸化水素をルミノール化学発光系で計測することで、基質であるリン酸の濃度の計測が可能になる。
リヨン大学P.Coulet教授のグループは過シュウ酸エステルおよびルミノールを用いる化学発光の研究を進めており、ルミノール発光は様々な高感度バイオセンシングに応用が可能であるという結論を得た。
(3)ガス状物質センサーの開発
生物電気化学に関する討論を行い、光電気化学分析法を用いることによって酸化還元メディエーターの反応機構が簡便に解析できることが分かった。このことから、環境を負荷物質であるシアンなどのガス状物質のメディエーター型バイオセンサーによる計測の可能性が示唆された。
また、人工ダイアモンド電極の特性評価を行った。その結果、幅広い電位領域で水分子の電気分解を経ることなく、目的の化学種の測定が可能であろうと言う見解を得た。
(4)水質モニタ用センサーの製作
低分子物質の認識に極めて有用であると考えられている抗体に触媒機能を持たせることにより、はるかに高感度は低分子物質用バイオセンサーが構築可能であることが示唆された。また、コンピューター上でアミノ酸配列を変化させて、生態機能を示すのに最適な配列を検索する分子進化工学の可能性についても、積極的な議論が行われ、遺伝的アルゴリズムなどの数学的なアプローチが有用であるとの知見を得た。

報告書

(3件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] I.Karube, Y.Nomura, Y.Arikawa: "Biosensor for environmental control" Trends Anal.Chem.14. 295-299 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kenji Hayashi, Satoshi Sasaki, Kazunori Ikebukuro, Isao Karube: "Highly sensitive chemiluminescence flow injection analysis system using microbial peroxydase and a photodiode detector" Anal.Chim.Acta.329. 127-134 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Jeong Im Lee, Isao Karube: "Development of a biosensor for gaseous cyanide in solution" Biosensors & Bioelectronics. 11. 1147-1154 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] I.Karube,Y.Nomura,Y.Arikawa: "Biosensor for environmental control" Trends Anal Chem.14. 295-299 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kenji Hayashi,Satoshi Sasaki,Kazunori Ikebukuro,Isao Karube: "Highly sensitive chemiluminescence flow injection analysis system using microbial peroxydase and a photodiode detector" Anal.Chim.Acta.329. 127-134 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Jeong Im Lee,Isao Karube: "Development of a biosensor for gaseous cyanide in solution" Biosensors & Bioelectronics. 11. 1147-1154 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kazunori Ikebukuro,Isao Karube,et al.: "Phosphate sensing system using pyruvate oxydase and chemiluminescence detection" Biosensors and Bioelectronics. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Kazunori Ikebukuro,Isao Karube et al.: "A novel biosensor system for the determination of phosphate" Journal of Biotechnology. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Kazunori Ikebukuro,Isao Karube et al.: "A novel biosensor system for cyanide based on the chemiluminescence reaction" Analytica Chimica Acta. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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