研究課題/領域番号 |
07044140
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高村 秀一 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023254)
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研究分担者 |
COHEN S.A. プリンストンプラズマ物理学研究所, 教授
大野 哲靖 名古屋大学, 工学部, 講師 (60203890)
上杉 喜彦 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90213339)
COHEN S. A. プリンストンプラズマ物理学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 磁気ダイバータ / ダイバータ・プラズマ模擬実験装置 / 動的ガスターゲット・ダイバータ / 2次元流体コードシミュレーション / プラズマ熱流制御 / イオンサイクロトロン共鳴加熱 / 核融合 / プラズマ・壁相互作用 / ダイバータ / 動的ガス・ターゲット・ダイバータ |
研究概要 |
(1)ダイバータプラズマ模擬試験装置を用いたプラズマ熱流制御実験 高熱流ダイバータ・プラズマ模擬試験装置NAGDIS-IIを開発し、プラズマ熱流制御に関する基礎実験を行った。 Detached Plasma発生の閾値密度の発見 低密度プラズマでは電子とイオンの間のエネルギー緩和が不十分であるためイオンの荷電交換反応を通してのエネルギー散逸が小さくなり、電子温度がある程度下がると非弾性衝突による電子の直接エネルギー損失もなくなるので電子温度のさらなる低下はなく、Detached Plasmaが発生しないことを明らかにした。 Detached Plasmaにおける再結合 ヘリウムガス圧力10mtorr前後にて、Detached領域からの可視域の発光分光分析は、320^〜345nmにわたる再結合に伴う連続スペクトルを示し、その光子エネルギー依存性によりプラズマ温度0.1^〜0.3eVが求められた。一方ヘリウムのバルマ-線と言うべき一連のスペクトル線でGriem限界のn=6以上の占有数分布から、部分的局所熱平衡を確認し、上記温度と一致する結果が得られた。 プラズマ再結合過程によるプラズマ粒子束減少の実証 放電電流をパルス的に立ち上げおよび立ち下げすると、ゆっくりとした密度の増大と減少があるものの、放電への入力が急速に変化するので電子温度の変化が伴う。再結合速度係数は電子温度の-4.5乗に比例するので、電子温度に極めて敏感である。ターゲットへのプラズマ粒子束が再結合過程に依存して大きく変化することを明確な形で実証した。 プラズマ-対向壁相互作用によるプラズマ熱流の変化 プラズマ対向壁でのプラズマ粒子の反射や壁からの熱電子及び二次電子放出がダイバータ板へのプラズマ熱流の大きさに与える影響に関する研究とそれを積極的に利用した熱電子放出ダイバータという新しいダイバータ概念の検証を行った。熱電子及び二次電子放出により、シース電圧が低減し、ダイバータ板へのプラズマ熱流が増大することが実験的に明らかになった。また、対向壁に斜行する磁力線の影響により、二次電子放出の抑制が起こることが、実験及び計算機シミュレーションより明らかになった。 (2)2次元流体コード(B2)によるダイバータプラズマのモデリング 高熱流ダイバータ・プラズマ模擬実験装置NAGDIS-IIの実験配位に即した2次元流体コードの開発を行った。コード中での中性粒子の輸送過程及び原子・分子過程の取り扱いについてプリンストンのグループと検討を行い、コードの信頼性の向上を図った。さらに、開発されたコードを用いて動的ガスターゲット・ダイバータ模擬実験に対するモデリングを行い、ダイバータプラズマ模擬試験装置NAGDIS-IIで得られた密度Plasma Detachmentのプラズマ密度依存性の物理機構を明らかにした。さらにコードの信頼性を向上するために、中性粒子の挙動をモンテカルロ的(DEGASコード)により取り扱う方法について検討した。 (3)イオンサイクロトロン共鳴加熱によるプラズマの高熱流化 ダイバータ・プラズマ模擬実験装置においてイオンサイクロトロン共鳴加熱によるプラズマの高熱流化を行うために、理論解析とシミュレーションコードを用いて、その有効性を評価した。理論解析から磁場構造を変化させることにより、電子温度とイオン温度の比を変化させる事が可能であることが明らかになった。また、NAGDIS-IIでの初期的な加熱実験では、50msの高周波パルス(プラズマへの入力4kW程度)を直流放電プラズマに加え、プラズマの電子エネルギーの増加に伴う諸現象が観測された。
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