研究課題/領域番号 |
07044161
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
持田 勲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20037758)
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研究分担者 |
GULLON I.M. ケンタッキー大学, 化学工学科, 助手
ANDREWS R. ケンタッキー大学, 化学工学科, 助手
GRULKE E. ケンタッキー大学, 化学工学科, 教授
DAVIS B. ケンタッキー大学, 応用エネルギー研究センター, 教授
DERBYSHIRE F ケンタッキー大学, 応用エネルギー研究センター, 教授
坂西 欣也 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (60183365)
光来 要三 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (50122693)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 二酸化硫黄 / 一酸化窒素 / 活性炭素繊維 / 硫黄 / 脱硫 / 脱硝 / 賦活 / 表面構造 / 硫酸 / 硝酸 / 酸化的脱硫 / ピッチ系活性炭素繊維 / PAN系活性炭素繊維 |
研究概要 |
(脱硫) 今年度はポリアクリロニトリル系活性炭素繊維より活性の高いピッチ系活性炭素繊維について下記の試験を行い、SO_2をH_2SO_4として連続的に回収した。本研究ではPitch-ACFの熱処理による脱硫活性について処理温度と定常脱硫率の関係を調べ、さらに接触時間の変化、水蒸気分圧の影響について検討すると共に、NO共存の脱硫能に対する影響を検討した。また、熱処理によるACF表面の変化について調べた。その結果、熱処理温度が等しい場合、より表面積の大きなACFがより高い脱硫率を示した。また、全てのACFにおいて、900°Cまでは熱処理温度が高いほど脱硫率は向上した。最大表面積(約2000m^2/g)のPitch-ACFを1100°Cで熱処理した時、最高活性を示し、接触時間(W/F)=1.0×10^<-3>g・min・ml^1の条件下で、1000ppmのSO_2の完全除去が達成された。また、水蒸気分圧が10vol%の場合は、最低60時間以上完全脱硫が進行した。水蒸気分圧を7.5、5vol%とすると、完全捕捉時間は各14、1.5時間となり定常脱硫率は95、55%へ減少した。乾燥空気では、約1時間の完全補足の後、直ちに100%破過した。生成した硫酸の除去には、過剰の水蒸気が必要である。接触時間の変化に関しては、水蒸気分圧5vol%と比較的低い水蒸気分圧でも、ACF重量0.5gの場合、1000ppmのSO_2を完全捕捉できた。つまり、水蒸気分圧が高い場合は、より少量のACFでもSO_2完全捕捉が可能であり、水蒸気分圧が低い場合には、逆に接触時間を増加すれば脱硫率を増加できることがわかった。SO_2濃度500ppmで500ppmのNOが共存すると、脱硫能は阻害され、活性は、85%まで低下したが、水蒸気分圧を上げることにより、SO_2のリ-ク量は減少し、7.5vol%で定常脱硫率97%、10vol%においては完全捕捉できた。一方、NOはどの条件でも約3時間以内に完全に破過した。NO共存下でも、ポリアクリロニトリルACFと比較してPitch系ACFの極めて高い活性が認められた。 (脱硝) Pitch系ACF上でのNO(380ppm)をNO_2に触媒酸化し、その酸化物ばかりでなく未反応のNOも硝酸やその塩として室温で捕捉し、排煙ガス中のNOの酸化的除去を研究した。まず、市販およびそれらを850°Cで熱処理したPitch系ACFのNO酸化活性を調べた。その結果、ACFの活性は未処理と熱処理によってその活性が大きく異なり、後者の方がいずれも高活性を示した。表面積の異なるPitch系ACFの中では、適度な表面積(800m^2/g)をもつ熱処理されたACFが最高活性を示し、濃度380ppmのNOを反応温度25°C、接触時間(W/F)=1.0×10^<-2>g・min・ml^<-1>の条件で、湿度100%で24%、湿度80%で62%のNO転化率を示した。とくに、市販ACFの湿度による強い活性阻害は850°Cでの熱処理によって低減した。低濃度NO(10ppm)は乾燥下で24%、湿度100%の加湿下で5%の転化率を示した。その他表面積の異なるPitch系及びポリアクリロニトリル系ACFの触媒活性も乾燥下及び加湿下で調べ、湿度80%以上ではいずれの繊維についても顕著な活性低下を認めた。また、反応温度を30〜125°Cと変化させ、その影響を調べた。乾燥雰囲気下において、NOの転化率は、30°C、50°Cで88、87%を維持し、50°C以上では徐々に減少し、125°Cで20%となった。加湿下においては、転化率は、25°Cで25%、75°Cで45%と増加した。さらに温度を上げ125°Cとすると転化率は10%と減少した。乾燥あるいは加湿下におけるNO転化率に対する酸素濃度の影響も調べた。その結果、7〜20%の酸素は、転化率にほとんど影響を与えないが、4%では乾、加湿雰囲気下共にわずかに転化率が低下することがわかった。これより通常の排煙ガスや大気中の酸素濃度はピッチ系ACFの最高転化率の発現に必要十分であることがわかった。
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