研究課題/領域番号 |
07044169
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
堀内 孝 東亜大学, 工学部, 教授 (10201758)
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研究分担者 |
バニエスキー ヤセック ポーランド科学アカデミー, 主任研究員
ベリンスキー アンドレ ポーランド科学アカデミー, 教授
太田 裕治 (大田 裕治) 東洋大学, 工学部, 助教授 (50203807)
熊野 和夫 (熊野 和雄) 北里大学, 医学部, 講師 (80137918)
土肥 健純 東京大学, 大学院, 教授 (40130299)
WERYNSKI Andrzeij POLISH ACADEMY OF SCIENCE,PROF.
WANIEWSKI Jacek POLISH ACADEMY OF SCIENCE,PROF.
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1995年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 腹膜透析 / 物質移動 / 人工腹膜 / 細胞培養 / シミュレーション / 腹膜繊維芽細胞 / コラーゲン / サイトカイン / 人工臓器 / 生体電気インピーダンス / 体組成分布 |
研究概要 |
腹膜モデル設計・作成のための腹膜中皮細胞と腹膜繊維芽細胞の分離、コラーゲン内に繊維芽細胞を分散させた3次元間質モデルの試作、積層化への課題の検討を行い本研究の3年間を総括とした。 腹膜は中皮細胞層、間質、血管内皮細胞の多層系複合膜であり、腹膜繊維芽細胞は細胞外マトリックスのコラーゲン繊維の中に分散している。腹膜透析において溶質や水はこの区間を移動するが、In vivo系ではどの部分にもっとも移動抵抗があるのか判断ができない。文献的には、中皮細胞層や血管内皮細胞層において若干の考察があるが間質の物質移動速度に関しては定量的な考察は殆ど無い。しかし、この間質の距離や形態から物質移動に重要な役割を果たしていること否定できない。この間質層をIn vitro系で再現させるために4mg/mlのI型コラーゲン内に接触時間制御法によりクローニングした繊維芽細胞を懸濁後、固化し、その細胞の伸展を観察した。この際、試作モデルを6群に分け、牛胎児血清濃度(FCS)を変化させた群、コラーゲン濃度を変化させた群、細胞密度を変化させた群、RNA合成阻害剤を添加した群に分け細胞の形態的変化、コラーゲンの収縮を検討した。FCS濃度及び細胞密度とコラーゲンの収縮は正の相関を示し、コラーゲン濃度とコラーゲンの収縮は負の相関を示した。このことは力学的な力と細胞の伸展力のバランスにより収縮が起こりその伝達経路として繊維芽細胞とコラーゲンマトリックスの結合(接着)の存在が示唆された。RNA合成阻害剤であるActinomycin-Dによる濃度依存的な収縮抑制作用は細胞表面のインテグリンの発現やそれを促進するTGF-βの発現が関与していることが示された。定性的ではあるがRT-PCR法よりTGF-βmRNAの発現がこの系で確認された。 今後このコラーゲン層中の溶質の移動速度を測定するとともに、サイトカイ産生刺激を受けた場合のコラーゲン層の溶質透過性の変化を求めることにより、腹腔内物質移動モデルをより現実的なモデルにすることが可能となる。さらに、本モデルは腹膜硬化機序を研究するうえで有用なモデルとなることが示唆された。
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