研究課題/領域番号 |
07044177
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 義明 東北大学, 理学研究科, 教授 (00098146)
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研究分担者 |
WHITELAW Mur アデレード大学, 講師
GUSTAFSSON J カロリンスカ研究所, 教授
POELLINGER L カロリンスカ研究所, 教授
依馬 正次 日本学術振興会, 特別研究員
菊池 康夫 東北大学, 理学研究科, 助手 (10004467)
十川 和博 東北大学, 理学研究科, 助教授 (80175421)
GUSTAFSSON Jan-Ake Karolinska Institute
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Ahリセプター / HSP90 / Arnt / bHLH / PAS / CBP / p300 / 転写調節 / 遺伝子欠損マウス / ダイオキシン / 転写因子 / bHLHドメイン / PASドメイン / 転写活性化ドメイン / シトクロムP450 / Sp1 |
研究概要 |
Ahリセプター(ダイオキシンリセプターとも言う)はbHLH/PASドメインを持ち、ダイオキシンなどのリガントと結合するとHSP90との複合体から解離してArnt(Ah receptor nuclear translocator)とヘテロ2量体を形成して薬物代謝に関与する一群の酵素の遺伝子の転写を活性化する。bHLH/PASドメインを持つ転写因子は哺乳動物細胞ではAhリセプターとArntが最初の例であるが、その後、多くの類似構造を持った転写因子が見出され、cDNAクローニングによって、アミノ酸配列が明らかにされてきた。今年度はAhリセプター/Arntヘテロ2量体のコアクチベータ-としてCBP/P300がArntの活性化ドメインと相互作用にして働くこと、新たなbHLH/PAS因子としてmSim1,mSim2,HLF,Arnt2が得られてその構造を明らかにしたこと、Ahリセプターの遺伝子欠損マウスを作製し、Ahリセプターがダイオキシンなどによる奇型の誘導に関与していることを明らかにしたことなどである。 ELAが薬物によるCYP1A1遺伝子の誘導に抑制的に働くことから、CBP/P300がAhリセプター・Arntヘテロ2量体の仲介因子として働くことが予想された。CBP/P300のCREB結合部位とArntの活性化ドメインが直接に相互作用する事がtwo hybrid法、抗体による共沈法によって確認された。さらにCBP/P300を添加することによってAhリセプター/Arntによる転写誘導活性がさらに上昇することが明かとなった。RT-PCR法とArntをbaitにしたtwo hybrid法によってbHLH/PASタンパク質のスクリーニングをした結果、ショウジョウバエのSimに類似のmSim1,mSim2の他に、Arntに類似で神経管に特異的に発現するArnt2,低酵素状態でEpo遺伝子の発現調節因子として報告されているHF-1αに類似しているHLF(HLF-1α like factor)のcDNAを単離して、その塩基配列を決定した。Arnt2の機能は現在、遺伝子欠損マウスを作って解析するために、そのベクター作製している。HLHはVEGF遺伝子の転写活性化や血管新生などに働いている可能性が示されている。今後は低酸素でこの因子が活性化される仕組みと機能について詳細な解析をおこなう予定である。Ahリセプター欠失マウスは東大・医科研・勝木教授との共同研究で作製し、現在ダイオキシン投与による胎児の催奇形性について検討しているが、この過程にAhレセプターが関与していることが示されつつある。
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