研究分担者 |
STEWART Jon Dept. of Chemistry, The University of Flor, Assistant
BENKOVIC Ste Dept. of Chemistry, The Pennsylvania State, Professor
松永 司 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60192340)
小松 康雄 北海道大学, 薬学部, 助手 (30271670)
森岡 弘志 北海道大学, 薬学部, 助手 (20230097)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
井上 英夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (80088856)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1995年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
紫外線によって生ずるDNA中のピリミジンダイマーにはいくつかの種類があり,変異の原因となることが知られている.これらを識別する抗体の抗原認識機構を明らかにするため,抗体遺伝子のクローニングを行い,可変領域のアミノ酸配列の比較した.さらに,H鎖およびL鎖の可変領域をフレキシブルペプチド[(GGGGS)3]で連結させた一本鎖抗体(scFv)遺伝子を構築し,大腸菌を用いてその発現を行った.この際,蛋白質のC末端にヒスチジンタグを繋げ,Ni-NTAカラムによるアフィニティ精製を計画した.scFv抗体遺伝子をT7 RNAポリメラーゼのプロモーターを用いて発現させた場合,封入体形成がみられたので,蛋白質のrefoldingを行い,単量体scFv抗体を得た.また,抗原となる紫外線損傷塩基を含むオリゴヌクレオチドは,シクロブタン型チミンダイマーまたは(6-4)光産物を含むダイマーユニットを合成した後,DNA自動合成機を用いて得た.各オリゴヌクレオチドの3′末端には,結合実験に抗原として用いるために必要なビオチン残基をアルキルリンカーを介して結合させた.ハイブリドーマ細胞より調製したFab抗体,および上記のscFv抗体の結合反応速度定数をバイオセンサー(BlAcore)を用いて速度論的に解析した。その結果,組換え型scFv抗体は天然型のFab抗体と同様の抗原結合特性を示すことが明らかなった.また,塩濃度変化の実験から、scFv抗体の抗原結合には静電相互作用が重要であり,疎水的相互作用が結合を安定化していた.コンピューターモデリングにより(6-4)光産物認識scFv抗体の立体構造を構築し,抗原結合に重要と考えられる部位に適当な変異を導入した.変異型scFv抗体の結合活性を測定し,抗原結合様式について考察した.
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