研究課題/領域番号 |
07044248
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣塚 彰 (1996) 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80204329)
成宮 周 (1995) 京都大学, 医学研究科, 教授 (70144350)
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研究分担者 |
SYMONDS Marc オニックス研究所, 研究員
VUORI Kristi バーンハム研究所ラホヤがんセンター, 研究員
WITTINGHOFER アルフレット マックスプランク分子生物学研究所, 部長
RIDLEY Anne. ルードヴィッヒ研究所, 室長
CULOTTI Jose トロント大学, 準教授
BIRGE Raymon ロックフェラー大学, 助教授
MOOLENAAR Wo オランダがん研究所, 室長
中川 修 熊本大学, 医学部, 助手 (40283593)
牛首 文隆 京都大学, 医学研究科, 講師 (50243035)
平田 雅一 京都大学, 医学研究科, 助手 (40261143)
WITTINGHOFER アルフレッド マックスプランク分子生物学研究所, 部長
RIDLEY Anne ルードヴィッヒ研究所, 室長
LULOTTI Jose トロント大学, 準教授
斎藤 雄二 京都大学, 医学研究科, 助手 (40263090)
垣塚 彰 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80204329)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1995年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | rhop21 / p160ROCK / 細胞接着斑 / インテグリン / p140mDia / アクチン重合 / 神経可塑性 / 細胞接着 / rho p21 / ボツリヌスC_3酵素 / PKN / P160^<ROCK> / 細胞形態変化 / SH_3 |
研究概要 |
我々はRho標的蛋白質の同定をYeast Tow hybrid法、リガンドオーバーレイ法を用いて行った。同定したRho標的蛋白質は昨年度報告したPKN、Citron、Rhophilinに加え、本年度はp160ROCK、そのアイソフォームであるROCK-IIを、さらにRhotekinおよびp140mDiaを新たに同定した。これら標的蛋白質の細胞内機能について現在解析中である。 p160ROCKは、そのC端の欠失した活性化型変異体の培養細胞(HeLa細胞)への発現によりアクチン繊維束、細胞接着斑形成の誘導を観察した。さらに、Yeast Two hybrid法、リガンドオーバーレイ法を用いたRho結合領域の同定、およびRho結合活性に必須なアミノ酸の解析より、p160ROCKの1009番目のアミノ酸イソロイシンをアラニンに置換した点突然変異体はRhoとの結合活性を失うことを明らかにした。このことより得られた情報を基にp160ROCKのドミナントネガィブ体を作製し、Rhoと細胞に共発現させることにより、Rhoによるアクチン繊維束、細胞接着斑形成の誘導が阻害された。このことからp160ROCKがRhoの下流でアクチン繊維束、細胞接着斑形成の誘導において働くことを明らかになった。また、そのアイソフォームであるROCK-IIも同様な機能を有しているものである。RhotekinはYeast Two hybrid法により同定し、そのRho結合領域においてPKN、Rhophilinと相同性を認めた。Rhoとの結合により、RhoのGTPアーゼ活性を低下させることが明らかにした。また、p140mDiaは同じくYeast Two hybrid法により同定し、ショウジョウバエのdiaphanous、酵母のBnilPと高い相同性を有する分子である。その構造はN端にRho結合領域を有し、中央部分にポリプロリンの繰り返し配列を認めた。この領域を介してアクチン調節蛋白質のプロフィリンと結合する。さらにその細胞内局在を細胞辺縁部のラッフリングが起っている部位に、また繊維芽細胞がフィブロネクチンをコートしたビーズを貧食する部位の周囲に、細胞質分裂時に生じる分裂溝に局在を観察した。さらに、これらの部位にはRho、プロフィリンも同様に局在を示した。このことから、Rhoによりp140mDia-プロフィリン複合体がこれらの場所に引き寄せられ、その場所でアクチンの重合に働くものと考えられる。 そこで、これらの成果を発表し、意見交換、情報収集のために2ヵ所の国際学会に参加した。また、標的蛋白質のcDNAを国内外20ヵ所以上の研究者に供与し、それを契機に共同研究を開始した。この例として、Max-Planck研究所のWittenghoferに標的蛋白のcDNAを供与し、これら標的蛋白質とRhoとの複合体形成を解析し、Rhoからの情報伝達がどのように行われているのかを検討するために、Rho標的蛋白のRho結合部位のX線解析を行なっている。また、標的蛋白質により誘導される細胞の形態変化、標的蛋白質の細胞内局在についてOnyx研究所のMarc Symondsと意見の交換をした。さらにp160ROCKは細胞接着斑の形成を誘導することから、細胞接着斑の主要な構成因子であるインテグリンを介した細胞接着、情報伝達へのp160ROCKは強く関与いるものと考えられる。このことについて、La Jolla Cancer FoundationのVuoriらと共同研究を継続している。さらに、p160ROCKは細胞の収縮機構に関与しているとの報告があり、Moolenaarらとは神経突起退縮におけるRho標的蛋白、特にp160ROCKは働きについてp160ROCKのcDNAを供与し共同研究を継続中である。研究分担者以外にも、国内外20各所以上に標的蛋白質のcDNAならびに抗体を供与した。
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