研究課題/領域番号 |
07044264
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗村 敬 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00112110)
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研究分担者 |
HIRA Subhash マハトマガンジー, ミッション医科大学, 教授
MANIAR Janak グラント医科大学, ジーティー病院, 教授
景山 誠二 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60252706)
SUBHASH K.Hi マハトマガンジー, ミッション医科大学, 教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | NIV-1 / 2重感染 / HIV-2 / ムンバイ / HIV-1 / エイズ / HIV-1型 / HIV-2型 / ウイルス負荷 / 日和見感染 / ボンベイ市 |
研究概要 |
インドは今や世界におけるHIV/AIDS流行の中心地となった。感染者の増加は目を見張るものがあり、しかも、インドの中でもムンバイ市は大流行の様相を示している。この流行の特徴はHIV-1型、2型の同時流行がみられ、さらに両型の重感染が認められることである。競合的・定量的RT-PCR法を用いると、一般にHIV-2の負荷はHIV-1のそれに比較して非常に低い。また、その中で重感染例(PCR法にて確認)についても同様であるが、さらに、各型の中でみると、負荷の高い群と低い群にわかれる。これは、感染しているウイルスの性状によるものか、それとも1型2型の何れが先に感染したのかによるものかも知れない。しかし、2型(1型との重感染例)の中でウイルス負荷(LTRの塩基配列で測定)が小さい例をさらに詳細に調べてみると、抗体陰性(偽陰性)になる場合が多くみられることがわかった。このことは特にgp36の一部を構成する合成ペプチドを用いた検査キットでは大部分このウイルスによる感染を検出することができなかった。このことはこの地方においてHIV-2感染を見落す可能性の高いことを示しており、このことは単にウイルス学的、疫学的問題となるだけでなく、行政的にも大問題であるといえる。安全な血液の供給にとっても看過できないことである。また、このような症例ではウエスタンブロット法を用いても糖蛋白抗原に対応する抗体が検出できない場合が大部分であり、インドにおける検査キットの選択は重要であるといえる。 次にHIV-2 ROD株の7782-8281に相当する部分をプライマーペアC/Dを用いて増幅したところ、抗体検出がうまく行く限りは全てサブタイプAの塩基配列を示す500bpのシークエンスを得た。これに反し偽陰性を呈した例では500bpの産物は得られず210bpの産物が得られた。この現象は検査材料を末梢血単核細胞中のプロウイルスDNAよりスタートしても、また、血しょう中ウイルス粒子RNAよりRT-PCR法によっても同サイズのDNAが増幅される。この現象の理由は不明であるがHIV-2の新しいサブタイプなのか、または他の未知の理由により既知のサブタイプ(例えばサブタイプA)の存在様式によるのかは今後の追究を必要とする。
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