研究課題/領域番号 |
07044277
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
名和田 新 九州大学, 医学部, 教授 (10038820)
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研究分担者 |
諸橋 憲一郎 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30183114)
生山 祥一郎 九州大学, 医学部, 助手 (20184393)
柳瀬 敏彦 九州大学:医学部, 助手 (30239818)
高柳 涼一 九州大学, 医学部, 講師 (30154917)
WATERMAN Mic バンダービルト大学, 医学部, 教授
WATERMAN Michael R Vanderbilt University, School of Medicine, Biochemistry, Chairman
香川 憲夫 バンタービルト大学, 医学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1995年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ステロイド / 転写因子 / 性分化 / P450 / Ad4BP / SF-1 / DAX-1 / 先天性副腎低形成 |
研究概要 |
1.ステロイド合成P450遺伝子転写調節因子の単離、構造決定と作用の解析。 (1)ヒトAd4BP(SF-1)遺伝子のクローニング:ヒトAd4BP遺伝子は全長が30kbで7個のexonより構成され、461アミノ酸よりなるAd4BPをコードしていた。ラット同様、5'上流に転写に重要なEboxが保存されていた。(2)CRS1-BPとしてのPbX-1のクローニング:CYP17(P45017α)遺伝子のcAMP応答領域に結合するCRSl-BPをクローニングし、この本体がリンパ球性白血病の際に認められる転座遺伝子PbX-1であることが判明した。このことは細胞増殖機構とステロイド合成の関係を示唆するものとして興味深い。(3)Eboxに結合する因子の検討:組織非特異的発現を示すEbox結合因子のcDNAの単離に成功した。さらに組織特異的なものの単離を試みている。(4)Ad4BPとDAX-1のステロイドP450遺伝子に対する作用:Ad4BPは主要なステロイド産生P450遺伝子、P450scc,P45011β、P45017αのすべての転写を促進した。一方、DAX-1はこれらの遺伝子の転写を抑制、両者はP450遺伝子の転写に関して拮抗する関係にあることが判明した。DAX-1遺伝子の5'上流にはAd4BP結合配列が存在することを見い出し、DAX-1遺伝子の転写がAd4BPによりtransactivationされることが判明した。このように、Ad4BPとDAX-1は互いに密接に相互作用し、下流の遺伝子の転写調節を行うことが推定された。 2.Ad4BP,DAX-1遺伝子の先天性副腎低形成症例における解析。 性腺、副腎の発生に必須の転写因子Ad4BP、DAX-1のヒト遺伝子構造の決定により、性分化異常を伴う先天性副腎低形成症例でのこれらの遺伝子の解析が可能となった。解析した男性6例はすべてX染色体上のDAX-1遺伝子の異常であり1例にアミノ酸置換、5例にstopないしframe shiftに伴うstop codonを認めた。この中には両親に異常が無く、germ lineの変異でDAX-1異常症が発症し得ることが明らかとなった。タイ人女性3例にはAd4BP遺伝子の異常は認められなかった。以上の結果は同じ表現型を示す性分化異常症の原因にAd4BP,DAX-1以外のものが存在することを証明するものと結論される。
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