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科学技術を利用した文化財研究法の開発の総括

研究課題

研究課題/領域番号 07044304
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

西川 杏太郎  東京国立文化財研究所, 所長 (70000304)

研究分担者 チェイス W.T.  スミソニアン研究機構, アリアー美術館・保存科学部, 部長
コート L.A.  スミソニアン研究機構, フリアー美術館, 研究員
ヴァンゼルスト L  スミソニアン研究機構, 保存分析研究所, 所長
沢田 正昭  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 部長 (20000490)
斉藤 努  国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (50205663)
青柳 洋治  上智大学, アジア文化研究所, 教授 (60146800)
斉藤 孝正  文化庁, 文化財保護部・美術工芸課, 文化財調査官
平尾 良光  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (40082812)
三浦 定俊  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
CHASE W.Thomas  Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institute
CORT Louise A.  Freer Gallery of Art, Smithsonian Institute
ZELST Lambertus Van  Conservation Analytical Laboratory, Smithsonian Institute
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
キーワード陶磁器 / 青磁 / ベトナム / 遺跡探査 / 青銅器 / 中国
研究概要

本研究は、東京国立文化財研究所を中心にして、日本の文化財科学の研究者がスミソニアン研究機構の研究者と共同で、平成5年度から7年度にかけて、3つの分野に分かれて文化財科学の研究法を確立することを目的として行った3年間の研究を総括することを目的とした。その内容は、(1)陶磁器、(2)遺跡探査、(3)青銅器の3つであったので、それぞれについて研究実績の概要を説明する。
(1)陶磁器
研究分担者の一人である上智大学の青柳教授が、本研究のために借用しているベトナムの北部と中部の遺跡から発掘された陶磁器片の分析を行い、スミソニアン研究機構の研究者と研究討議を行った。
ベトナムでは紀元1世紀頃から現在に至るまで、青磁、白磁、鉄絵、青花、など様々な陶磁器が製作されていた。ベトナム陶磁は東南アジア各国から大量に出土していて、日本各地の遺跡からも近年ベトナム陶磁が出土している。またベトナムは中国の南に隣接しているためその陶業の発生と隆盛に、中国陶磁器の影響を無視することはできない。日本、中国から東南アジアにかけての陶磁器文化の流れを研究する上で、ベトナム陶磁器の研究は重要であるが、長年の戦乱の影響などで、ベトナム陶磁器の本格的な発掘調査はまだ少なく、その化学組成や編年に関する研究はようやく始まったばかりである。
本研究ではベトナム北部のチューダオ、ホプレ、中部のゴ-サイン、カイメの遺跡から出土した陶磁器片の素地と釉薬を、走査型電子顕微鏡を用いて分析した。元素分析にはエネルギー分散型X線マイクロアナライザーを用いた。
分析の結果、ベトナム産青磁の素地はSiO_2の含有量が比較的高い特徴があることがわかり、また釉薬はCaOの含有量が他に比べて高いので、石灰釉を用いていることが明らかになった。また素地、釉薬ともSiO_2、Al_2O_3の含有量が、中国南方の窯でできた青磁に類似していて、ベトナム産青磁が中国南方の窯と原料の選択において共通していることを示唆すると考えられた。また素地のSiO_2の含有量が高く、ベトナム産陶磁は中国南方の陶磁と同様に、瓷石を主な原料にしていたと考えられる。
(2)遺跡探査
平成5年度にIllinois州KampsvilleにあるCamp Mound遺跡とMissouri州EminenceのShawnee Creek遺跡、Oklahoma州SpiroのSpiro遺跡の3箇所で地中レーダー探査、電気探査、磁気探査を行ったが、その際、機器が重く、かさばって輸送が困難であったこと、広い面積を限られた時間で行うのが難しかったなどの経験をもとに探査機器の改良を行った。特に磁気探査について三軸グラジオメーターを用いたベクトル磁気探査法、現地での探査を実行する前の事前調査としてあるいは他の探査方法と併用するためとしての航空写真などの利用に関する研究を行った。
(3)青銅器
引き続き、雪野山古墳出土の三角縁神獣鏡の同型鏡に関する調査を行った。また中国古代の青銅器について引き続き研究を行い、三星堆遺跡の青銅製品、安陽殷墟の青銅製品などについて、鉛同位体比分析などの成分分析を行い、相互の関連について考察した。

報告書

(1件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 二神葉子,他2名: "北部・中部ベトナム出土陶磁器の元素分析" 日本文化財科学会第12回大会 研究発表要旨集. 80-81 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 青柳洋治: "チャンパ陶磁をめぐる二、三の問題 『青い焼きもの』(町田市立博物館図録第96集)" 町田市立博物館, 55(5-7) (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoko Futakami: "Analysis of ceramics from North and Central Vietnam Reports on 12th Conference of the Japanese Society" for Scientific Studies on Cultural Property. 80-81 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoji AOYAGI: Machida City of Museum. Some Problems on the ceramics of Champa "Exhibition Catalog of Machida City Museum" No.96, 5-7 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要

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公開日: 1997-03-04   更新日: 2016-04-21  

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