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相対論的原子核衝突におけるクォーク・グル-オン プラズマの研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044322
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

宮村 修  広島大学, 理学部, 教授 (80029511)

研究分担者 陸 中道  中国原子能科学研究院, 準教授
鄭 玉明  中国原子能科学研究院, 準教授
張 孝澤  中国原子能科学研究院, 教授
薩 本豪  中国原子能科学研究院, 教授
室谷 心  徳山女子短期大学, 講師 (70239557)
日置 慎治  広島大学, 理学部, 助手 (70238252)
鷲見 義雄  広島大学, 理学部, 教授 (20029490)
LU Zhong-dao  China Institute of Atomic Energy, Associate Professor
ZHENG Yu-ming  China Institute of Atomic Energy, Associate Professor
ZHANG Xiao-ze  China Institute of Atomic Energy, Professor
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
キーワードクオークグル-オンプラズマ / イベントジェネレータ / 相対論的原子核衝突 / カイラル転移 / HBT効果 / 2粒子干渉
研究概要

以下の研究を行い成果を得た。
1 160ギガ電子ボルト領域鉛-鉛原子核原子核衝突における達成温度、密度のイベントジェネレータによる研究
高エネルギー原子核衝突において達成される温度・密度を、本研究グループが構築した原子核衝突のイベントジェネレータにより分析した。160ギガ電子ボルト領域の鉛-鉛衝突では、衝突後瞬時にエネルギーが数千のバイ中間子、K中間子に転化し、生成消滅を伴いつつ発展してゆくが、その過程を広島大学理学部の高速計算機を用いてシミュレートし、(1) 熱平衡状態の成立の妥当性、(2) 熱平衡状態が生成された場合の温度、(3) 平衡状態での粒子密度、の3点について広島大学理学部と中国原子能科学研究院で分担して分析した。その結果、衝突後約10^<-23>秒後のバイ中間子、核子の運動量分布は共に熱平衡分布となり温度が良い状態変数となることが見られた (1)。この時この状態の温度は0.8から1.1メガ電子ボルト相当で、持続時間は約3×10^<-23>秒程度であった (2)。また、粒子密度は1立方センチメートルあたり10^<-39>個程度であった (3)。これらの様子はクオークグル-オンプラズマ生成にはまだ不十分であるとおもわれるが、比較のためにシミュレートした、同じエネルギー領域での硫黄-鉛衝突では見られないものであった。
これらの結果の一部を日本原子力研究所 「第3回ハドロン多体系のシミュレーション」 研究会で報告した。さらに、現在、結果をまとめて投稿準備を行っている。
イベントジェネレータによる2粒子量子干渉効果の研究
200ギガ電子ボルトの硫黄-鉛原子核衝突を1と同様に広島大学理学部の高速計算機で本グループのイベントジェネレータによりシミュレートし、それを基に、バイ中間子放出源の時空分布と2粒子量子干渉効果で得られる時空パラメータの関係を、中国原子能科学研究院より招へいした陸中道博士の主導の下に分析した。
この研究の結果、(1)相対論的効果により、実際の粒子源分布の情報は部分的にしか2粒子量子干渉の時空パラメーターには反映されないこと、(2) 観測粒子の運動量の範囲に限定すると上記の事実はより著しいものとなること、が得られた。これらの結果は現在、学術誌に投稿中である。また、鄭玉明博士が中心となって行った予備的な計算については、すでにCommunications in Theoretical Physics 15 (1996) に発表した。
3 2粒子量子干渉にたいするカイラル凝縮不整列現象効果の理論
クオーク グル-オンプラズマが急速に冷える際に生成が予想されるカイラル凝縮不整列現象に伴う2粒子量子干渉効果の理論を展開した。この研究は当初陸中道 (招へい研究者)・室谷・宮村・日置が広島大学理学部で研究を進めたが、平成8年2月より室谷が中国原子能科学研究院に滞在してさらに薩本郷・鄭玉明と理論を深化させた。この研究の結果、(1) カイラル不整列ドメインが多数生成された場合の2粒子相関の理論式、(2) (1) の帰結として、カイラル凝縮不整列は同種バイ中間子のみならず、異種バイ中間子対にも相関をもたらし、その際、同種対の場合とは異なり、運動量の大きさが小さな対が重要であるである、という結果が得られた。
高密度におけるカイラル転移近傍の重粒子数変動現象の研究
本研究では有限温度・有限密度の南部ジョナラシーニョモデルに基づいて、有限密度の相転移点近傍における様々な感受率の計算を行った。その結果、有限密度のカイラル相転移点近傍では、重粒子数感受率の激しい変動がみられた。これは、重粒子数密度に非常に大きな変動が起こることを意味しており、この揺らぎは原子核衝突の際の粒子分布や、宇宙における核生成問題に影響を与える可能性がある。この研究の一部分を、International Symposium on ORIGIN OF MATTER AND EYOLUTION OF GALAXIES IN THE UNIVERSE において報告した。

報告書

(1件)
  • 1995 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Date,K.kumagai,O.miyamura,H.Sasaki,H.Sumiyoshi: "Time evolution of the central region in ultrarelativistic heavy-ion collisions" 第3回ハドロン多体系のシミュレーション研究会報告集. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y-M.Zheng,O.Miyamura,K.Kumagai: "Study of pion-source size in relativistic nuclear collisions" Communications in Theoretical Physis. 15 (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] O.Miyamura,K.Kumagai,S.Muroya,Z-D.Lu: "Enhancement of baryonic fluctuations near chiral phase transition of QCD at finite density" Proceedings of "Origin of matter and evolution of galaxies in the Universe" Jan.18-20,1996,Atami. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Date, K.Kumagai, O.Miyamura, H.Sasaki, H.Sumiyoshi: "Time evolution of the central region in ultrarelativistic heavy-ion collisions" Proceedings of the 3rd workshop on computer simulation of multi-hadron system. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y-M.Zheng.O.Miyamura, K.Kumagai: "Study of pion-source size in relativistic nuclear collisions" Communications in Theoretical Physics. 15(in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] O.Miyamura, K.Kumagai, S.Muroya, Z-D.Lu: "Enhancement of baryonic fluctuations near chiral phase transition of QCD at finite density" Proceedings of Origin of matter and evolution of galaxies in the Universe Jan.18-20,1996.Atami. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要

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公開日: 1997-03-04   更新日: 2016-04-21  

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