研究課題/領域番号 |
07045019
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
五十嵐 善英 群馬大学, 工学部, 教授 (60006260)
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研究分担者 |
WILKINSON Ti シティ大学, 研究員
MCCANN Julie シティ大学, 研究員
MURRAY Kevin シティ大学, 講師
DOWLING Geof シティ大学, 講師
OSMON Peter シティ大学, 教授
茂木 和弘 群馬大学, 工学部, 助手 (00251124)
白石 洋一 群馬大学, 工学部, 助教授 (80261858)
西谷 泰昭 群馬大学, 工学部, 助教授 (60198463)
阿久津 達也 群馬大学, 工学部, 助教授 (90261859)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 並列 / 分散 / アルゴリズム / 計算機 / 半導体 / デバイス / 通信 / 同期 / 並列・分散処理 / 並列オペレーティングシステム / 並列・分散アルゴリズム / 耐故障性 / VLSIレイアウト / AND-EXOR論理式 / 遺伝情報解析 / デバイスシミュレーション |
研究概要 |
群馬大学では,並列・分散アルゴリズムの設計と解析、大規模計算を対象とした並列化手法を研究している。一方、シティ大学ではスケーラブルな並列計算機、および並列オペレーテイングシステムを研究している。そこで両研究機関の得意分野をもとに相互に研究を補完し、並列及び分散計算の実用化に向けて研究成果を挙げる目的で国際学術研究を実施した。 その結果、(1)から(4)の目的に対して、(5)から(8)の実績を達成した。 目的 (1)半導体チップ上に部品を配置し、それらの部品間を配線する問題は超大規模組合せ最適化問題として定式化される。最近の半導体チップ(特にマイクロプロセッサなどの論理VLSIチップ)の集積度増大は非常に急激で、問題の規模は一段と増大している。例えば、一度に数十万個の部品の配置を決定し、更に数十万本の配線経路を求めなければならない。これを逐次処理で行うと最低限数百時間が必要になり、現実的ではなくなる。そこで、並列処理が必要となり、並列処理の実現が目的となる。 (2)デバイスシミュレータとは、半導体チップ上に搭載する特定の機能を持った微細な素子の振る舞いを計算機を用いてシミュレーションするためのものである。実際には複雑な微分方程式を高速に解くことが必要で、多大な計算時間を要する。素子が微細化するに従って考慮すべき要素が増大するために、最近では計算時間が急激に増大し、並列処理による高速化が必須のものとなる。並列処理の実現を目的とする。 (3)ネットワークで結合された複数のプロセッサからなる並列処理環境では、プロセッサ間で情報交換が非常に重要になり、並列処理の速度、信頼性を左右する。この問題に対しては理論に基づく解析と実験とが必要である。目的は、ネットワークをグラフで表現して並列処理で現れる様々な問題を定式化し、解析することである。 (4)(1)(2)の実システムを開発するためには、様々なソフトウェアツールの充実が必要である。並列プログラミングは非常に複雑なため、これらのツールの性能如何によって全体のシステムの性能が左右される。シティ大学で開発しているオペレーティングシステムを使用して、基本的なソフトウェアツールを開発することを目的とする。 実績 (5)半導体チップ上に部品を配置し、それらの間を配線するシステムは、複数のサブシステムからなる。それらサブシステムの逐次版のアルゴリズムを開発して実験し、並列化によってもアルゴリズムの性能が大きく落ちることなく実用レベルまでの高速化が可能である見通しを得た。また、配置領域を4分割し部品の集合を4分割して4集合を4領域配置する処理を階層的に繰り返すアルゴリズムを開発し、キューを使用した並列処理を前提としてシミュレートして、並列処理による高速化の見通し得るとともに、配置処理の性能を落とさないためにはどうすればよいかに関する問題点を抽出した。 (6)データ分散法と線形連立方程式の解法を取り入れたデバイスシミュレータを開発する目的のもとで、部分的にその要素技術を確認するプロトタイププログラムを開発して、小規模データに対して解の精度の評価と、更に並列処理による高速化の予測、及びシステムを開発する上での問題点を抽出した。 (7)ネットワークの形状を種々のグラフとしてモデル化し、その頂点である計算機間で通信による情報の交換を行う際の耐故障性、ブロードキャステイング、同期、について理論的に解析し、オペレーティングシステムを開発する際の指針を与えた。更に超並列計算機の設計、複数ネットワークを結合して新たなネットワークを構成するための手法を理論的観点から考察した。そしてこれらの結果をシティ大学のグループにフィードバックしてオペレーティングシステム開発の際に考慮して貰うこととした。 (8)シティ大学のグループとの連携により、Angelと呼ぶオペレーティングシステムを実際に群馬大学の計算機に移植して、実験的に動作させる環境を構築した。Angelを使用して並列処理を実施する上で重要な排他制御をAngelにあらかじめ用意されている基本的な関数を使用して開発し、実験的のその機能を確認するとともに、その他の必要な機能を実現する上での問題点を抽出した。
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