研究課題/領域番号 |
07045024
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
内藤 克彦 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90240811)
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研究分担者 |
ANGGORO B. :バンドン工科大学, 工学部, 助手
SIRAIT K.T. バンドン工科大学, 工学部, 教授
水野 幸男 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50190658)
藤原 修 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60135316)
池田 哲夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50005253)
SHIRAIT K.T. バンドン工科大学, 工学部, 教授
SIRAITO K. バンドン工科大学, 工業技術学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 電界 / 磁界 / 商用周波 / 時間積分値 / 変電所 / 送電線 / シールド効果 / 生体影響 / 商用周波数 / 積分値 |
研究概要 |
送電線をはじめとする電力機器の容量増大に伴い、その近傍における商用周波電界あるいは磁界が生体へ及ぼす影響が懸念され、国内外の学会で取り上げられるようになってきた。現在のところ、商用周波電磁界が生体に及ぼす影響は明確にはされていないが、電磁界の発生源と暴露状況を正確に把握して生体への影響を評価するとともに人体への安全基準を設定することが社会的に要請されている。日本では電界に対する安全技術基準はあるものの、磁界の安全基準はない。一方、インドネシアでは電界・磁界に関する安全基準は現在のところ設置されていないが、基準設定のための気運は熟しつつある。 このような状況において、本研究では日本とインドネシアの研究者が密接な連絡を取りながら、瞬時値のみならず時間積分値を記録できる携帯用商用周波電界・磁界計測器を用いて、送電線などの電力設備周辺の電界・磁界を測定した。また、商用周波磁界が小生物に及ぼす影響に関する実験を実施した。 本研究で得られた成果を以下に示す。 1.日本およびインドネシア国内の500kV変電所内および500kV送電線直下で商用周波電界・磁界の瞬時値を測定した。その結果インドネシア国内の測定値が日本のそれと比べてやや大きいものの、国際的なガイドラインの値よりは小さいことがわかった。 2.インドネシアおよび日本国内の500kV変電所および送電線付近の住居地域における電界・磁界を測定した結果、国際的なガイドラインに比べて極めて小さいことがわかった。 3.人体が被曝する電界の時間積分値を計測するための携帯用電界センサは市販されていないため、独自にセンサを開発した。このセンサが良好な性能を有することを確認し、肩に取付けた場合の電界増倍係数を求めた。本センサは汎用性があり、他の測定器にも適用できると考えられる。 4.インドネシア国内の500kV変電所および500kV送電線保守作業者が日常作業時に受ける電界・磁界の時間積分値を同時測定した。その結果、インドネシアで測定された値は日本の値と比較するとやや大きいが、国際的なガイドラインの値と比べるとかなり小さいことがわかった。 5.一般人が日常生活において一日に受ける商用周波電界・磁界の時間積分値を測定した。電力設備作業従事者の測定値と比較して、はるかに小さいことが確認された。 6.建物や木の近くでは電界が小さくなる電界シールド効果があることを確認した。 7.ショウジョウバエの寿命および遺伝に及ぼす商用周波磁界の影響を実験的に調べた。現在までのところ、600Gaussおよび30Gaussの商用周波磁界は、ショウジョウバエの寿命・遺伝に影響を及ぼさないことがわかった。 1997年3月には、本研究の総括を兼ねた「電磁界に関するセミナー」をインドネシア国バンドン工科大学で開催した。100人を超える参加者があり、質疑応答も活発に行われ、電磁界に関するインドネシア国民の関心の高さを表している。本研究で得られた成果は、インドネシアをはじめとする発展途上の国々の安全基準設定に際し有益な情報を与えるものと考えられる。
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