研究課題/領域番号 |
07045045
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
新沢 陽英 山形大学, 医学部, 助教授 (40113956)
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研究分担者 |
邱 徳凱 上海第二医科大学, 消化器病研究所, 副教授
冨樫 整 (富樫 整) 山形大学, 医学部, 講師 (60192209)
QIE De-Kay Shanghai Second Medical University
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | NF-κB / サイトカイン / 抗ウイルス効果 / CL100 / iNOS / ゲルシフト / HB611 / B型肝炎ウイルス / 抗ウィルス効果 / B型肝炎ウィルス / HBV / 肝癌 / インターフェロン / B型肝炎 / NO / cDNA / mRNA / 2,5,AS活性 |
研究概要 |
NF-κBがpro-inflammatory cytokinesによる抗ウイルス効果発現時重要である事と考えられる。私どもは、HBV遺伝子にNF-κBの結合する可能性のある塩基配列を見いだした。NF-κBの抗ウイルス作用の機序としてNF-κBにより誘導合成される蛋白が関与する、或いはNF-κBが直接HBV遺伝子と結合し抑制する、の二つが考えられる。私どもは肝癌細胞Huh-6にHBVDNAをトランスフェクトした細胞HB611を用い実験を行った。抗ウイルス効果の判定は培地上清中のHBVDNA、HB611中のHBVDNA、HBVmRNAにて行った。またNF-κB活性は、ゲルシフトアッセイにて行った。CL100は、Northern blottingにて判定し、immunologic nitric oxide(iNOS)は、Western blottingにて判定した。IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSは、HB611におけるB型肝炎ウイルスを量依存性に抑制した。CL100は、酸素ストレスの鋭敏な指標とされている。各種試薬を加えると、細胞は何れの試薬によってもCL100の発現の増大があり、酸素ストレスを受けていた。他方、HB611に対し、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSは、NF-κB活性化を示した。これは、IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSの抗ウイルス性に一致した。私どもは、これら試薬によるNF-κB活性化が抗ウイルス効果発現に重要であると考えた。そこで、NF-κB阻害剤であるTPCK、NACの効果を見た。TPCK、NAC処理によりINF-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSによる抗ウイルス効果は減弱した。NF-κBの抗ウイルス作用の機序としてNF-κBにより誘導合成される蛋白が関与する、或いはNF-κBが直接HBV遺伝子と結合し抑制する、が考えられる。私どもは、何れの気序によるか細胞内蛋白合成阻害剤を用い調べた。蛋白合成阻害剤処理によりINF-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSによる抗ウイルス効果は減弱した。しかしながら、まだ抗ウイルス効果は認められた。私どのはNF-κBの抗ウイルス効果として蛋白合成を介する、HBVとの直接反応する、の何れも関与すると判断した。iNOSは、NF-κBにより発現が調整されている。iNOS阻害剤により(L-NMMA)IFN-α、IFN-γ、TNF-α、IL-1β、LPSによる抗ウイルス効果は減弱した。この結果から、NF-κBにより抗ウイルス性に導く蛋白はiNOSと考えられた。HBVとNF-κBの直接結合をゲルシフトアッセイにより調べると、preS2に存在する5′-AATCCTCTGGGATTCTTTCCCCGAT-3′が最も良くNF-κBと結合した。しかしながらどの様にNF-κBが、HBV増殖を抑制するか不明である。本研究において我々は、転写調節因子のNF-κBは、B型肝炎ウイルス増殖を抑制する因子である事を明らかにした。更に活性化されたNF-κBは、一新しい蛋白合成(iNOS)を介し抗ウイルス効果を示すのに対し、NF-κBとHBVの直接反応を介し抗ウイルス効果を示す可能性がある事を明らかに出来た。
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