研究課題/領域番号 |
07101001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂野 仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90262154)
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研究分担者 |
坪井 昭夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20163868)
名川 文清 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10241233)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
249,000千円 (直接経費: 249,000千円)
1999年度: 43,000千円 (直接経費: 43,000千円)
1998年度: 46,000千円 (直接経費: 46,000千円)
1997年度: 46,000千円 (直接経費: 46,000千円)
1996年度: 55,000千円 (直接経費: 55,000千円)
1995年度: 59,000千円 (直接経費: 59,000千円)
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キーワード | V(D)J組み換え / RSSシグナル配列 / RAGタンパク質 / RAG / RSS複合体 / フットプリント解析 / 3'-リン酸化 / トランスポジション / 12 / 23ルール / 抗原受容体遺伝子 / 免疫グロブリン遺伝子 / 組み換えシグナル配列 / リコンビナーゼ / リンパ細胞の分化 / 組み換え制御因子 / トランスジェニックマウス / 臭覚受容体遺伝子 / V(D)J結合 / エンハンサー / 対立形質排除 / 体細胞突然変異 / エンハンサーエレメント / 組み換え抑制因子 |
研究概要 |
リンパ球に見られるV(D)J組み換えは、抗原受容体遺伝子の多様化と相互排他的活性化に重要な役割を担っている。当グループでは過去5年間、V(D)J組み換えの基質であるRSSと組み換え酵素の基本コンポーネントであるRAG1/RAG2タンパク質とを用いて、1)RAG/RSS高次複合体の単離及びそのフットプリント解析、2)DNA湾曲タンパク質HMG1の組み換えにおける新たな役割の解明、3)RSS切断後の3'-OH端のリン酸化の発見など、いくつかの研究成果を挙げてきた。 当グループではV(D)J組み換えがトランスポゾンの切り出し反応を利用したものである事を以前から指摘してきたが、実際RSSの切り出し産物、即ちsignal end(SE) complexに、In vitroでトランスポジション活性の有る事が示された。我々は最近、RAG/RSS高次複合体において、7mer切断端の3'-OH基がRAGタンパク質によってリン酸化される事を見出した。今回発見されたRSS切断端の3'ーリン酸化は、SE complexが染色体の他の場所へトランスポーズする事を抑止するので、in vivoでは挿入変異の誘発を防ぐ様に働くと考えられる。これらの観察は、V(D)J結合がトランスポソンの組み換え反応を遺伝子再構成に利用しつつ、同時に、切り出し産物のもつ有害なトランスポジション活性を抑える様にシステムを機能させている事を示唆するものである。 本研究ではまた、フットプリント法によるRSS DNAの解析により、pre-cleavage複合体では9merがHinホメオドメインとの相互作用に関わるのに対し、post-cleavage複合体では、7merがRAGタンパク質との複合体の維持に重要であることが明らかになった。この高次複合体では、7merを起点に、12/23ルールを満たす位置に9mer配列があるかどうかをRAGタンパク質がスキャンしているらしい事が示され、12/23ルールを確認する分子機構の一端が初めて明らかにされた。
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