研究課題/領域番号 |
07102003
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (20126189)
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研究分担者 |
近藤 忠 東京大学, 物性研究所, 助手 (20252223)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
217,000千円 (直接経費: 217,000千円)
1999年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1998年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1997年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1996年度: 71,000千円 (直接経費: 71,000千円)
1995年度: 110,000千円 (直接経費: 110,000千円)
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キーワード | 下部マントル / 高圧相転移 / X線回折実験 / 分析電子顕微鏡 / ガーネット / パイロライト / スラブ / X線回析実験 / 高圧 / ガ-ネット / X線その場観察 / ダイヤモンドアンビル / 焼結ダイヤモンド |
研究概要 |
本研究は下部マントルに対応する超高圧高温条件下でのX線その場観察実験を通して、下部マントルに存在するであろう各種ケイ酸塩、酸化物の構造と密度を明らかにし、現在まで提唱されているさまざまな地球深部のダイナミックなモデルを、物質科学的な情報に基づいて検証していくことを目標としたものである。 上記の目的のために、レーザー加熱ダイヤモンドアンビル装置とシンクロトロン放射光を組み合わせ、140GPaまでの超高圧領域における高温高圧X線回折実験装置を開発した。また、焼結ダイヤモンドを用いたマルチアンビル装置や対向アンビル装置による実験も行った。これらの装置を用いて、多くのケイ酸塩系、酸化物系について、さまざまなX線その場観察実験、および回収試料の分析電子顕微鏡による解析を組み合わせた研究も行われた。 これらの実験により、スラブの主要構成鉱物が下部マントルに沈み込んだ際に相転移を起こして生成すると考えられる多様な相、特にAlを多く含む新しい結晶相の構造や特徴が明らかにされた。また、下部マントル最上部までの条件下におけるさまざまな相の、状態方程式や相平衡関係を定量的に精密に求める研究も行われた。それらの結果を用いて、まだいくつか必要な仮定はあるものの、地震波データとの比較からマントルの温度プロファイルに関する制限を与えることができた。またガーネットが下部マントルまで沈み込んでいった場合に起こるであろう相転移の様子を定量的に明らかにすることができた。 地球内部は複雑な多成分系であり、今回の限られた成分による結果だけから結論できることはまだ限られている。しかし本研究によって、従来技術的に不可能であった温度圧力領域でのさまざまなX線回折実験が可能になり、ケイ酸塩や酸化物の下部マントル条件下でのふるまいに関して、多くの新しい知見を得ることができた。
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