研究課題/領域番号 |
07102004
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
化学系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011105)
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研究分担者 |
原田 明 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90222231)
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60214821)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
218,000千円 (直接経費: 218,000千円)
1997年度: 47,000千円 (直接経費: 47,000千円)
1996年度: 74,000千円 (直接経費: 74,000千円)
1995年度: 97,000千円 (直接経費: 97,000千円)
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キーワード | 光熱変換 / 単分子 / フェムト秒 / ピコ秒 / 熱レンズ / マイクロチャネル / 超微粒子 / 集積化 / 光熱変換現象 / 無輻射プロセス / 溶液化学 / 固液界面化学 / 少数分子 / 微小空間 / 超高速現象 / レーザー分光分析 |
研究概要 |
光が熱に変わる現象(光熱変換現象)を利用した独自の原理に基づく熱レンズ顕微鏡を、光学配置の最適化や光を回折限界まで絞り込むことで、さらに高感度化な液相微小空間測定を可能にし、液中単一分子、単一微粒子のカウンティングを実現した。鉛ポルフィリンベンゼン溶液では検出領域3フェムトリットル中にポルフィリン分子が平均0.5個存在する条件で信号を検出できた。また、銀コロイド溶液では、ブラウン運動に伴って、単一銀超微粒子(粒径数ナノメートル)が検出領域を通過する様子をとらえることに成功した。この熱レンズ顕微鏡による高感度検出技術を、ガラス基板上に微細流路を加工した化学集積回路に適用した。その結果、微小空間では溶媒抽出が振とうしなくても効率よく進行することを見いだした。また、ガラスチップ上に培養した脳神経細胞から逆行性神経伝達物質が放出される様子をその場計測することにも成功した。この成果の波及効果として、小型化された分析チップの開発研究が進展しつつある。 一方、数十フェムト秒〜数ピコ秒の時間分解能をもつ超高速時間分解光熱変換分光法を開発し、固体表面、固液界面、液相における光熱変換プロセスを高速時間分解計測する技術を確立した。白金/電解液界面において、励起パルス入射後の過渡的な反射率変化をモニターしたところ、塩化物イオン、過塩素酸イオンなど白金に強く吸着されるイオンを含む場合にのみ、20フェムト秒という極めて速い緩和成分が観測された。この速い成分は従来報告されている現象では説明できず、励起直後の非熱化電子(ボルツマン分布に従わない高エネルギー電子)が化学吸着種と相互作用することにより現れた成分であると考察した。この研究成果の波及効果として、固体表面の熱物性測定装置の実用化研究が進展している。
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