研究課題/領域番号 |
07102008
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀川 直顕 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (70022697)
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研究分担者 |
長谷川 武夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (70025386)
森 邦和 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (70022663)
岩田 高広 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (70211761)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
281,000千円 (直接経費: 281,000千円)
1999年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1998年度: 28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1997年度: 59,000千円 (直接経費: 59,000千円)
1996年度: 101,000千円 (直接経費: 101,000千円)
1995年度: 80,000千円 (直接経費: 80,000千円)
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キーワード | スピン / 核子スピン構造 / COMPASS / 偏極標的 / クオークスピン / グルーオンスピン / QCD / ミューオンビーム / SMC / クォークスピン / グルーオンスピ / グル-オンスピン / 偏極ガンマー線 / GDH / 核子スピン / スピン偏極標的 / 超電動電磁石 / DHG和則 / ハドロン生成 / 超伝導電磁石 |
研究概要 |
科学研究費補助金(特別推進研究)の補助を受け5年間に以下の成果を上げた。 1.SMC研究の成果:平成7、8年に重陽子標的、陽子標的で測定を行った。標的、ビーム、検出器全ての条件が最高の状態でデータ収集を行い、それ以前のデータ数の総和を上回るデータを得た。そのデータおよびSLAC、HERMESのデータ全てについて、Next-to-Leading OederのQCD解析を行った。その結果、クオークスピンの寄与が(20-30)%であること、Bjorken和則は成り立っていること、Ellis-Jaffe和則は破れていること、さらにバレンスクオーク、シークオークの偏極についても情報を得た。 2.COMPASS共同研究:(1)COMPASS用偏極標的の建設:COMPASS実験で使用する偏極標的のための超伝導電磁石を設計し、Oxford社に発注した(平成8年)。磁石は完成し励磁テストを行ったが励磁の途中で発生したクエンチによる高電圧発生でコイル、各種導線に損傷が発生し、急遽改造を行っている。機略冷凍機については、先端の混合槽を改造し、マイクロ波キャビテイを改造した。COMPASSで使う標的ホルダーを完成した。 (2)ビームトラッカーの開発:偏極標的の上、下流にミューオンビームの入射時間・位置を決める分解能の良い検出器として0.5mmφの直径のシンチレーションファイバーと多極高電子増倍管(H6568)の組み合わせによるビームトラッカー(SAT)の設計を終わり建設に入る。平成11年、プロトタイプを製作し、実機エレクトロニクスを使ったビームテストで時間分解能、検出効率に満足な結果を得て、実機製作に取りかかった。 (3)オフライン解析:測定に入る前に行っておかなければならない、実験モニタープログラム、データ収集と整理プログラム、粒子のパターン認識、運動学的量の決定、各種シミュレーションなどオフライン解析を担当し、これらの一部を分担製作した。 3.GDH和則の検証:平成10年5月-10月にマインツ大学でGDH(Drell-Hearn,Gerasimov sum rule)和則の検証実験を世界で初めて行った。陽子標的でのπ生成断面積のスピン依存性を200-855Mevの電子エネルギーで測定した。偏極標的はスピン凍結モードで行い、平成11年は標的偏極度を導出し、偏極標的および散乱実験の結果を論文にして投稿した。 4.偏極標的の開発:SMC実験でスピン1標的の偏極度解析法、窒素核偏極度の推定法などを開発した。名古屋大学では、新しい物質である薄膜重陽子化ポリエチレンを標的として使うテストを行い、17%近い偏極度を得ることに成功した。また、重陽子化ブタノールの偏極度磁場依存性をテストし、1.5Tの場合、2.5Tの70%程の偏極度を与えることを確かめた。
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