研究課題/領域番号 |
07201107
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
置田 雅昭 天理大学, 文学部, 教授 (50248176)
|
研究分担者 |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 講師 (00234633)
GOODMAN Dean マイアミ大学, 地球物理理学応用考古学探査研究所・中島研究室, 準教授
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1995年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 遺跡探査 / レーダー探査 / 電気探査 / 地中温度調査 / 発掘調査 / 考古学 / 横穴墓 / 小型カメラ |
研究概要 |
宮城県西都市西都原古墳群で、特殊な構造の横穴墓の探査と、発掘調査を2次にわたって行った。第1次調査は夏に、地形測量・電気探査・レーダー探査・地中温度探査の各種を行った。探査はまず、遺構の存在が確認されている場所で行い、得られた異常応答パターンと、考古学的に予測される遺構を照合して、墓道、羨道、空洞(玄室)をみきわめた。レーダーなどの探査の結果は考古学的予測とよく合致することが判明したので、新たに地区を設定して探査を行った。この結果、レーダー探査では、空洞と判断される異常応答地点2箇所を発見し、それらが1つの墓道を共有することも知られた。また、電気探査では径1m以内の縄文時代集石炉か、と推定される異常反応地点などを見いだした。また、地中温度調査で空洞推定地点の地表温度が、午前中は他の地点より低いことが明らかになった。その他、地表下、0,3-1,5mの土壌サンプルを持ち帰り、含水率を調査したところ、0,3mでは20%、0,6m以下では50%前後であることが知られている。 第2次調査は冬に行った。この時期に調査を行ったのは、探査が夏季と冬季で同じ結果が得られるかどうかということと、探査結果を発掘調査で検証することにあった。探査は夏季の結果と同じであり、温度調査では冬季には空洞推定地点が、他の地点より24時間を通じて低いことを確認した。発掘は遺構の保存を考慮して、最小限ことどめた。発掘調査は空洞入り口(羨門)まで掘り進み、小型カメラを挿入し内部を覗く方法とし、直ちに空洞にはいることを避けた。この結果、空洞内には人骨と土器が埋葬されたままの状態で保存されていることを確認した。 結果として、含水率50%前後でもレーダは地下の様子をよく反映すること、地中温度調査から遺構を推定する基礎データーを得た。地上に構築物を持たない特殊な横穴墓を、地中探査で見いだし、本調査のため、空洞内の情報を得た成果が大きい。
|