研究課題/領域番号 |
07202203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
小西 行郎 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40135588)
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研究分担者 |
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
斎藤 正一 福井医科大学, 医学部, 助手 (50116399)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 短期記憶 / Hiding-task / シナプス |
研究概要 |
Diamondや久保田らの猿を用いた実験では、短期記憶は前頭連合野で行われており、その発達は同領域におけるシナプスの形成過程と一致して起こるといわれている。しかし、このような変化が人においても同様に起こるのかどうかは不明な点が多い。そこで我々はHuttenlocherが示した人におけるシナプスの形成時期である生後8〜12カ月に短期記憶がどのように形成されるのかを行動学的観察を中心に行った。正常乳児6例を生後6カ月から毎月経時的に観察した。短期記憶はhiding-taskの直接法課題(直後と3秒遅延)と間接法課題(直後)を調べることで行った。この課題を行っている間ビデオにて児の行動を観察記録した。直接法直後課題は8〜9カ月頃から、3秒遅延課題は12カ月に全例できていたが、間接法は1歳6カ月でもできなかった。この間の行動変化を経時的に見ると、生後6〜7カ月では課題はできないものの、試行中ジ-とコップを見続け、7〜8カ月ではスクリーンで隠されるとコップに向けていた視線が途切れるようになる。しかし、直後課題はできる。10カ月では試行そのものが人見知りによってできなくなり、12カ月ではスクリーンによる妨害は全く関係なく3秒遅延課題も可能になる。これらの結果から、人の短期記憶の形成はDiamondらの猿の研究とは異なる発達を示すことが解った。つまり短期記憶の形成には最初視覚認知が重要であり、その後は対人関係を含む状況判断が、言い換えれば社会性の発達が大きく影響するのではないかと考えられた。
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