研究の概要 本年度の研究目的は、発達初期の視覚と運動の協応関係を明らかにすることにあった。このため未熟児における手指運動を、刺激提示条件と統制条件で比較検討した。分析対象となったのは、名古屋市立大学病院のNICUに入院中で特別の障害を持っていない未熟児、男児3名、女児4名の合計7名であった。在胎週数は28週から38週(平均34週)であり、実験時点での修正在胎週数は、39週から42週(平均40週)であった。両眼視による縞視力は、0.2c/deg.から0.55c/deg.であった。行動観察は、未熟児室にある眼科検診用の小部屋で行われた。ガラガラを提示される刺激条件と、保持されるだけの統制条件の2条件での行動が観察分析された。腕の動きについてみると、条件に関係なく活動的でないことが示唆されている。また、条件別に運動の生起頻度を見てみると、刺激提示条件で運動の抑制が観察された。
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