研究課題/領域番号 |
07203103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関本 照夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20110083)
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研究分担者 |
清水 展 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (70126085)
田村 克己 国立民族学博物館, 第2研究部, 助教授 (40094156)
内堀 基光 一橋大学, 社会学部, 教授 (30126726)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 文化 / 近代 / 国民 / 民族 / 伝統の創出 / ナショナリズム / 東南アジア / 文化の政治 |
研究概要 |
本研究は、重点領域研究『総合的地域研究』の計画研究「外文明と内世界」に関連する公募研究で、東南アジア近現代に西欧からもたらされたナショナリズムが内に取入れられ、民族や国民の文化についての集団的自意識が産み出される過程を研究している。研究代表者・分担者は、研究会を重ねると共に、それぞれ別の財源を活用して東南アジア各地での調査・資料収集を行った。 1、インドネシアの伝統染物産業について文献資料収集と現状の調査を行った。現在の染物の伝統のかなりの部分が、19世紀末以来の技術革新、国際的な競争の中で発展してきたこと、近代化による伝統の危機という今日広く見られる意識は、伝統の発展の渦中にあった今世紀初頭にすでに生まれていることが明らかになった。伝統の変容がすなわち伝統の形成なのである。 今日の東南アジア各国における、博物館、文化振興政策、文化フェスティバル、文化的モニュメント作りなどについて多くの観察と資料が集まり、文化の根本的な政治性、文化をめぐる人の集団間の表面に見えぬ闘争について、知見が深まった。これと関連し、フィリピンの例に典型的に見られるように、政治的・経済的に優位にある外部の国や集団の眼差しへの屈状と抵抗とが、文化の自画像を屈折し重層化したものにしていることが、より詳細に明らかになった。 危機にある民衆の中から文化的自画像が新たに生まれる過程について、それが現在進行中のフィリピン・ピナトゥボ山のネグリート系住民の例から、知見が深まった。
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