研究課題/領域番号 |
07203111
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
小島 勝 龍谷大学, 文学, 助教授 (40140123)
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研究分担者 |
早瀬 晋三 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (20183915)
波多野 澄雄 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (00208521)
蔡 央君 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (50217254)
清水 元 長崎県立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50265021)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 南方関与 / 東南アジア / アジア主義 / 脱亜入欧 / 南進(論) / 大東亜共栄圏 |
研究概要 |
1 第1回研究会[6月24日(土)〜25日(日)場所;静岡県下田市]で、今年度の研究計画についての打ち合せ会およびこれまでの各自の研究経過について、報告と討議を行ない、第2回研究会[9月16日(土)場所;鹿児島大学稲盛会館]で、各自の研究発表を、鹿児島大学南太平洋海域研究センターにおける公開シンポジウムの形で行なった。発表題目は、清水元「『アジア主義』と『南方関与』-第一次大戦期を中心として」、波多野澄雄「戦時『アジア新秩序論』と戦後構想」、早瀬晋三「明治期『南進論』と『大東亜共栄圏』」であった。小島は「『南方関与』と教育問題」を発表する予定であったが、出席できず発表要旨を送るにとどまった。 2 本発表および年間を通して得られた知見の概要は以下の通りである。(1)第一次大戦を契機に、南進論はアジア主義的なものに変質し、最終的には大東亜共栄圏の概念に融解する。(2)しかし、第一次大戦期の盟主論的な南進論が、直ちに大東亜共栄圏に結びついたわけではなく、20年代あるいは30年代はじめまでは、経済的な側面を重視し、平和的な考えを基調としていた。(3)「脱亜主義」と「アジア主義」・「興亜」を二項対立的に促えるこれまでの図式には、修正が必要なのではないか。(4)「膨張性」のモメントは、「国際性近代化」と「人種主義」のモメントに還元でき、この二つのベクトルを縦横両軸とする四次元図式により、近代日本の対外思想のあり方を示すことができる。(5)南進論が実現できなかったからこそ、アジアの民心が日本軍から離れていった。南進論は、政治軍事的なものは成功したものの、経済はアメリカに依存していて破綻し、移植民活動に伴う人心の把握はできなかったわけで、ここに大東亜共栄圏の虚構性がある。 3 3年間の研究成果報告書を、来年度中に刊行する計画である。
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