研究概要 |
高度情報化において,画像関連分野もネットワーク分野も特に進展が著しいので、本研究は2年間を区切りとする。そのため,比較的短期間で高密度の研究推進が必要とされる。平成7年とは、以下の3主要項目を研究した。 1.ネットワーク構築 新たに回線用ダイヤルアップサーバを導入し、既存のISDNターミナルアダプタ(TA)を接続した。回線速度は,非同期38.4Kbpsである。京都-津田沼間相互接続時には,各研究機関があたかも単一のLANで接続されたごとくに作業可能である。コンピュータ専門家以外でも,遠隔であることを意識させずにハードウェアおよびソフトウェア資産の利用が可能になった。 2.対象画家のディジタル化 埋蔵文化財関連データのうち,本研究では写真原版画像を対象とする。最終利用出力を考慮せずに不必要な高解像度でディジタル化をしても,記憶容量,時間,労力の無駄を招く。4×5のカラーポジフィルムを基に,解像度3000dpi(dot/inch)の出力セッターで,スクリーン線数200lpi(line/inch)で等倍印刷するとしても,フィルム解像度は400ppiしか必要とされない。また,網点印刷で表現可能な階調数は高々226<8bit程度に過ぎない。印刷用データ容量はCMYK減色混合系4版で12.5MBとなる。ホームページラウザ用データ容量は,RGB加色混合系3版72dpiで304KBあれば良い。このように現実的な評価を実行した。 3.画像圧縮検討とサンプル画像圧縮・保存 1990年台に急速に普及し,標準化や圧縮率の問題を解決したのがJPEG(Joint Photographic Expert Group)フォーマットである。量子化における切り捨て処理のため,ある程度の画質低下を伴うものの,大幅な容量圧縮が可能である。高精細スキャナを用いて4×5フィルムを700ppi,RGB各8bitでディジタル化した例では,29MBの容量が0.26MBまで1/100以下に圧縮された。低解像度例も検討し,各種条件による違いを考慮しても,1/15の圧縮であれば実用上支障ないと判断された。
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