研究課題/領域番号 |
07207126
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 共立女子短期大学 |
研究代表者 |
植木 武 共立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (20223448)
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研究分担者 |
岸野 洋久 東京大学, 教養学部, 助教授 (00141987)
梅沢 重昭 群馬大学, 教育学部, 教授 (30232896)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 前方後円墳 / 地方豪族 / 古墳時代 / 北関東 / クラスター分析 / 数量化III類分析 / 主成分分析 / 政治的領域 |
研究概要 |
西暦3世紀末に突然のごとく出現し、4世紀には全国へ伝播する大型前方後円墳は、その墳丘の形態があまりにも極似していることから、その系列関係が判明するよい物的証拠になりうると考えた。土地の首長クラスの墓という性格もあり、設計・建築指導者は、それなりの社会的地位を有していたであろうし、その技術は特定の者にしか伝授しなかったと思う。そこで、墳丘各部の計測を行い、それらの比をとり、解析を行い、時間・空間を考慮に入れながら、前方後円墳同士の類似関係をみて、それらの系列化を追求してみようと考えた。 畿内中央政権の関係者たちの墓と、関東地方豪族の墓との比較をする前に、今年度(平成7年度)は、まず関東の、それも北関東(群馬県、栃木県、茨城県)に的を絞り研究してみた。当初は、上述のわれわれの仮説が正しいかどうかも判明していなかったので、まず、北関東の中では最も前方後円墳の集合する群馬県に絞り解析したところ、驚く結果を得ることになった。クラスター分析、数量化III類、主成分分析を行ったところ、4世紀後半から6世紀半までの古墳が、驚愕する整合性をもって時系列上に並んで3つのグループに分類された。そこで、北関東全域に対象を広げて再度分析してみると、少数例の例外が出てきたが、大きく古いタイプと新しいタイプのふたつに分類された。そして、古いタイプ(4世紀後半〜5世紀前半)はくびれ部が顕著で比較的細長いタイプであり、新しいタイプ(5世紀後半〜6世紀後半)は首が太くなり前方部も広がるガッシリ型であることも判明した。地図上に古墳の立地を記しロケ-ショナル分析も試みると、やはり群馬県が当時の政治的拠点であることがうかがわれ、同時に茨城県にも複数の中心地があったように思われる。これに対して、栃木県は、少し後進地であったような感じがし、どちらに組せられるかというと、どうも茨城県の影響下にあったように思われる。
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