研究概要 |
画像の加工や編集のためのユーザーインタフェースには,ユーザーに大きな機能的・時間的負担や制約を強いるものが多く,研究者自身による研究成果の電子化,コンピュータによる知的活動の支援の障害になっている。こうした問題を解決するために,この研究では、「人間がコンピュータにあわせる」のではなく「コンピュータが人間にあわせる」という「ユーザー適応機能」を,画像の描画・加工・編集のインタフェース開発において実現するために,下記の項目について研究を開始した。 (1)画像の描画・加工・編集のためのインタフェースにおいて重視すべきユーザー適応機能の検討:個別的・非定型的な画像の描画・加工・編集のためのインタフェースのプロトタイプの開発,メディア利用経験の豊富な理工系学生・社会人およびメディア利用経験のあさい芸術・人文系の学生による描画ソフトウェア評価実験などをおこなった。また,コンピュータの導入によって絵画技法にどのような変化が生じるかについて検討するために,インドネシア国立芸術大学が有する描画ソフトウェアを登載したコンピュータを,長期間にわたって利用してもらい,それによって蓄積された教官・学生による作品の技法についてのデータ分析をおこなった。 (2)ユーザー適応機能の生理学的評価手法の開発:緊張やストレスを反映する自律神経系の活動指標(心拍数、呼吸数など)をユーザーを拘束せずに遠隔計測するシステムを構成し,その有効生を確認するための基礎的実験を行った。 (3)実技習得のためのマルチメディア教材におけるユーザー適応機能の高度化:音声認識機能を活用した高度なユーザーインタフェースの研究開発に着手した。
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