研究概要 |
種数の小さいリーマン面の退化の符号数不足指数の計算のために、代数幾何的には良く知られている小平による楕円曲線の退化の分類に従って,微分幾何的に不足指数の計算を実行した。 モノドロミ-が有限と巾単,その他の場合に分けられるが,前二者の場合は射影的退化に限ると高次元化できる。すなわち,アーベル多様体の退化の符号数不足指数が計算できた。更に射影的という仮定を外すと,エータ関数の計算は常微分方程式の固有値の分布に帰着できた。 エータ不変量の計算は今後の課題である。これらの結果は,考えている4k-1次元実多様体をあるリー群のコンパクト商空間と見ることにより,4k-1次元多様体上の偏微分方程式をリー環で径数付けされた無限個の常微分方程式に帰着して得られた。 また,ワークステーションの導入は,海外,特にアメリカとオランダ,スウェーデン,ブラジルの数学者達との情報交換を迅速化し,我々の研究を実り多いものにすることに貢献した。
|