研究課題/領域番号 |
07210219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
風間 洋一 東京大学, 教養学部, 教授 (60144317)
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研究分担者 |
加藤 光裕 東京大学, 教養学部, 助教授 (80185876)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 教授 (10091521)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 弦理論 / 双対性 / ソリトン解 / 行列模型 / 位相因子 / Stochaotic量子化 / 背景場依存性 / 位相代数 |
研究概要 |
(1)風間は弦理論の双対性において基本的である6次元のstring-string duality予想、すなわちヘテロ弦の4次元トーラスコンパクト化理論(HET_6)とタイプII弦のK_3コンパクト化理論(II_6)がS-duality変換で結ばれるという予想、について研究した。具体的には、Harvey,Strominger及びSen(HSS)による、低エネルギー有効理論においてソリトン弦の解がS変換で移りあうという主張を、S変換を作用のFourier変換とみなす立場から詳しく解析し、HET_6のソリトン解の族の持つO(6,22)という大きなT-duality対称性が非自明な形でII_6理論でも実現されていること、またHSSよる弦の集団座標の取り扱いには欠点があること、等を見いだした。正しい取り扱いの解析と共に発表予定である。(2)米谷は行列模型及びその弦理論との関係について研究を進めた。まず、不十分な導出しかなかった弦の散乱行列に現れるエネルギー依存性をもつ位相因子を、高エネルギーで有効な半古典近似に基づき具体的に導出した。これにより弦の広がりの効果の主要部分がこの位相因子に含まれていることを明確にし、その時空的解釈に関して一般に流布している誤解を解いた。また、弦の場の理論を行列模型のstochastic量子化法から直接導き、これを拡張してc=1/2模型の場合にstochastic量子化された行列模型の枠内で弦理論のT-双対変換を定式化した。(3)加藤は弦理論の位相的構造と背景場依存性等に関する研究を継続した。特に、昨年度の研究で得られた異なる背景場を結びつける相似変換に対して、(1)変換で分離される位相的セクターに存在する位相的代数からの意味付け、(2)共形対称性を含む世界面上のゲージ対称性が部分的な自発的破れを起こすことに伴う非線型表現の実現という立場からの再解釈、を行い、発見法的に得られていた変換を、一般的に導出理解する事に成功した。これは弦理論の背景場(非)依存性や対称性の破れに対する知見を深める基礎となると期待される。
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