研究概要 |
種数gの閉リーマン面Rから種数g′,(2≦g′≦g),の閉リーマン面Sへの非定数正則写像全体をHol(R,S)とし、その個数を♯Hol(R,S)と書く。de Franchisの定理により、♯Hol(R,S)は有限になることが知られているが、本研究ではその個数を具体的に評価することを考察した。得られた主要結果は次のもので、論文[1]として発表の予定である。 主定理.種数g,g′にのみ依存する正の定数Mが存在して、 ♯Hol(R,S)≦e^<Mg2> が成立する。しかも、このMは具体的に求められるものである。 証明法は、タイヒミュラー空間、Klein群、双曲幾何、複素解析を用いて双曲的面積を評価するものであり、この方法は、(g,n),2g-2+n>0型の開リーマン面の場合にも適用できる。また、これはSeveriの定理、関数体におけるMordell予想(Grauert & Maninの定理)、Shafarevich予想(Parshin & Arakelovの定理)においても、その対象物の個数を具体的に与えることができものであり、それらの諸結果の論文を執筆中である。
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