研究分担者 |
角田 寿喜 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40041222)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60144391)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
鍵山 恒臣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50126025)
浜口 博之 東北大学, 理学部, 教授 (20004385)
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研究概要 |
雲仙火山において,エアガンとダイナマイトを用いた人工地震探査を実施した。エアガン実験は予備的な探査として,島原半島を東西に横切る測線のみで行った。一方,ダイナマイトを用いた本探査では,半島内6箇所で発破を行い,島原半島を西北西-東南東に横断する東西測線(約26km)と北北東-南南西に走る南北測線の2測線を設けた。薬量は東西測線両端の2箇所が250kg,その他は200kgである。観測点数は東西測線が105点,南北測線が59点であり,観測点間隔は200〜300mである。これらの測線観測の他に,アレイ観測を雲仙火山の山頂部や山麓の4箇所で実施し,地下に潜むマグマからの反射波・散乱波の検出も試みた。さらに人工地震のソーススペクトルや減衰特性を調査するため,震源近傍や火山周辺の4箇所において広帯域地震観測も併せて実施した。 探査によって得られた走時曲線を見ると,雲仙火山の東麓に低速度の堆積層が存在することがわかる。また,震央距離2km〜6kmでの初動の見かけ速度が3〜4km/sであるのに対し,震央距離約7km以上で6km/s層からの屈折波が初動になっていることから,地溝内部も含め雲仙火山地域における6km/sまでの深さはそれほど深くはなく,海抜下1〜2kmの範囲に分布していると推定される。一方,雲仙普賢岳山上の観測点では走時が大きく遅れる特徴が見いだされた。このことは,普賢岳直下にマグマ等の低速度物質が存在する可能性を示唆しており,今後さらに詳しく解析することを計画している。
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