研究概要 |
東南極ナピア岩体の中でパド-山とトナー島の片麻岩の同位体年代測定を行なった。用いた試料は酸性片麻岩および塩基性片麻岩で、堆積岩源、片麻岩の一部はサフィリン-スピネル-斜方輝石ざくろ石-石英や火隅石を含む岩石もみられるが、パド-山ではそのような著しい高温、高圧(11kb,100℃)を示す鉱物組み合わせはみられない。 トナー島(2458【minus-plus】61Ma)やパド-山(2561【minus-plus】274Ma)の酸性片麻岩はいずれも約25億の年代を有し、この時期にナピア岩体で大きなtectonothermal事件が生じたことを示している。また、オーストラリア国立大学のシュリンプ年代もやはり約25億の年代が得られ、上記の結果を支持している。これら岩石のイプシロンNa値は-9.0と-4.0で負の大きな値をもち、25億年以前に地毅との複雑な形成関係をもっていたことを示している。一方、トナー島の塩基性片麻岩の年代は3807【minus-plus】376Maを示し、イプシタンNd値は+3.7で、始生代コマンチャイトや玄武岩のものにその化学的特徴がよく合致している。また、Black et al. (1986)もト-ナライト質の正片麻岩からU-pbシュリンプ年代として3927【minus-plus】34Maを得ている。さらに、トナー島の酸性片麻岩のシュリンプ年代として約2550Maが得られた。この時期ジルコンのpbの散逸が生じさせる大きな事件が生じたのであろう。この年代はナピア岩体で広くみられ、全域アナテクシスを起こさせる大きな熱的事件が生じたことは疑いない。これにより、全域類似した変成鉱物組み合わせを生じさせ、一部酸性片麻岩を形成したと考えられる。酸性片麻岩のモデル年代は約39億で、このことを指示している。なお、パド-山の酸性片麻岩のRb-Sr年代も測定され、約26億の年代で、上記のこと
|