研究課題/領域番号 |
07213101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤田 光孝 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40192728)
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研究分担者 |
針谷 喜久雄 工業技術院電子技術総合研究所, 電子基礎部, 研究員
阿部 修治 工業技術院電子技術総合研究所, 電子基礎部, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高次フラーレン / フェイゾンライン / ケクレ構造 / らせん状チューブ / 7,8員環 / ボンド交替 |
研究概要 |
炭素はその結合形態の多様性から、原子ネットワークとして様々な形状のものが可能となる。我々は、基本となるグラファイトネットワークに、5員環7員環などの多角形欠陥が入った場合の電子状態を詳細に検討し、新しい炭素材料の可能性を議論した。 高次フラーレンには沢山の異性体があり、またそのそれぞれが複雑な構造を持っているが、それらを展開図を用いて平面にして眺めると、それぞれの異性体分子に対して際だった個性が見えてくる。展開図によると、各高次フラーレンは蜂の巣格子上に12個の5員環の配置によって表される。それらと蜂の巣格子上のボンド交替としてのケクレ構造の整合性により、フェイゾンラインというトポロジカルな概念を次のように導入することが出来る。蜂の巣格子上のケクレ構造は、位相の異なる3つの縮退したパターンを持つが、奇数員環である5員環はそのリング上で単結合を好むために、謂わばある位相のケクレ構造をロックする効果を持つ。フェイゾンラインは、高次フラーレン上でのボンド交替における位相の異なるケクレ構造領域の境界に対応し、その付近ではボンド交替はフラストレーションのため起こりにくく、π電子系の局在性は弱くなる。 グラファイトの蜂の巣格子から60°のクサビを切りとり端を繋げると、頂点にのみ5員環をもつ円錐状の蜂の巣ネットワークが出来る。一方逆に60°のクサビをグラファイトに加えると、7員環の回りに鞍型の蜂の巣ネットワークの曲面が形成される。同様に120°ならば8員環が出来る。7員環や8員環を加えると、フラーレンネットワークのトポロジーの多様性は無限に拡がる。 負の曲面を持つ分子の代表例として、ド-ナツ状フラーレンの構造を考える。複雑そうなそのネットワーク構造も、高次フラーレン同様展開図を考えることによって用意に理解できる。このド-ナツの幾何学は、5員環と7員環の配置を決める4つのベクトルと、ド-ナツが穴の廻りに何回対称であるかによって完全に決まる。このようにして出来たド-ナツの電子状態としては、NBO状態を示す構造が多数存在するなど、高次フラーレンとは違った多様性が見られた。 ド-ナツが閉じなければ、それは螺旋状チューブとなる。これは4つのベクトルで決まる一つのユニットが、無限に繋がったものである。螺旋状チューブは基本的に1次元物質でありグラファイトが筒状に閉じたフラーレンチューブと同様である。筒状チューブでは、その直径を与えるベクトルによって金属か半導体かが決まるが、螺旋状チューブでは幾何学的パラメータが飛躍的に増える。計算の結果、殆んどの螺旋状チューブは半導体的になるが、中に金属的になる構造も見つかった
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