研究課題/領域番号 |
07213102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岩佐 義宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (20184864)
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研究分担者 |
有馬 孝尚 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90232066)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | フラーレンポリマー / 高圧合成 / フラーレン複合化合物 / 超伝導 / アンモニア合成 |
研究概要 |
本研究では、フラーレンポリマーの開発と、多元複合化合物による新超伝導体の開発を行い、以下の成果を得た。 [1]C70ポリマーの高圧合成 C70を5GPa,300℃で処理すると、トルエンに溶解しない新物質が生成することを発見した。x線回折パターン、赤外振動スペクトルなどの実験データと分子軌道計算に基づく振動スペクトルの計算から、C70のダイマーを基本単位とする物質であることがわかった。フラーレン分子間での弱い化学結合の発生はC60に限らない一般的な現象であることがわかった。 [2]アルカリドープC60ポリマーの合成 C60の2次元ポリマー(菱面体構造)にNaイオンがドープされた新物質を合成した。C60・2次元ポリマーへのド-ピングの成功は今回が始めてである。組成式はNaC60であり、八面体サイトにNaイオンが存在すると考えられ、この点は四面体サイトにNaが集要されている分子結晶相と対照的である。 [3]新超伝導体K3Ba3C60の合成 Ba3C60にKをドープすることにより、Tc=5.6Kを有する新超伝導体K3Ba3C60の合成に成功した。超伝導体積分立は30%以上を示し、バルクの超伝導体であることが確認された。この超伝導体は第2LUMO由来の伝導体がハーフフィルド状態にある物質である。 [4]新超伝導体(NH3)xNaA2C60(A=K,Rb)の合成 液体アンモニアによる低温合成によって新超伝導体(NH3)xNaA2C60(A=K,Rb)の合成に成功した。この物質はアンモニア組成によって格子定数を制御できるが、格子定数が増加するとTcが低下するという従来にない傾向を示した。この物質はBCS弱結合領域から逸脱している可能性がある。
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