研究課題/領域番号 |
07213208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八木 寿子 (平井 寿子) 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (60218758)
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研究分担者 |
近藤 建一 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (50111670)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アモルファスダイヤモンド / バンドギャップ / 動径分布 / 衝撃圧縮 / C_<60>フラーレン / 新物質 |
研究概要 |
アモルファスダイヤモンドの原子の秩序度を調べるため、電子線回析パターンから動径分布を求め、結晶ダイヤモンドおよび、他のSi, Ge半導体アモルファスとの比較を行った。強度測定は高感度でダイナミックレンジの大きいイメージングプレートを用い、その回析強度のフーリエ変換により動径分布を導出した。アモルファスダイヤモンド中の炭素原子は正四面体配位をとり、さらに、各頂点にある原子も四面体をなしている。そして、その集合様式は、ダイヤモンド結晶中のそれと、単位胞スケールまでは同じであるがその距離が少し大きく、若干パッキングが疎である。この第2近接までが秩序度をもつこと、すなわち単位胞までは結晶ダイヤモンドに匹敵することは、他の半導体アモルファスと異なる点であり、アモルファスダイヤモンドが極めてユニークな物質であることが明らかとなった。 バンドギャップ等の物性を知ることは、この物質の理解を深めるためにも、工学的応用を考えるためにも重要である。本年度の研究ではアモルファスダイヤモンド、同じくC60フラーレンより衝撃合成したナノダイヤモンド、および、天然ダイヤモンドのバンドギャップを、電子線エネルギー損失スペクトロスコピーによって求め、バンドの大きさや状態密度分布を比較検討した。得られたスペクトルのKramers-Kronig解析を行い、損失関数、誘電関数のε_1ε_2を導出した(Fig. 4)。ε_2の立ち上がりよりバンドギャブ求め、アモルファスダイヤモンド、ナノダイヤモンド、天然ダイヤモンドの値はそれぞれ、4.5、3.3および5.6eVと見積もられた。さらに、アモルファスダイヤモンドはε_2の立ち上がりの様子や内殻励起スペクトルの形状から状態密度が結晶ダイヤモンドに比べてブロードであることを示された。このことは動径分布の結果に対応しており、長距離オーダーの秩序度をもたないことが特異な状態密度と、狭いギャップの大きさを生じさせていると考えられる。
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