研究課題/領域番号 |
07213211
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
|
研究分担者 |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00232306)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | フラーレン / 付加反応 / 結晶構造解析 / 核磁気共鳴吸収 / 酸化還元電位 / 電子写真感光体 / スピンラベル / 質量分析スペクトル |
研究概要 |
4、5-ジメトキシベンザインとC60との{2+2}環化付加体の結晶構造解析に成功した・フラーレン{2+2}付加体の結晶構造解析では最初の例である。C60の付加部分でのC-C結合が、1.645Åと異常に長い等の興味深い知見が得られた。安定ラジカルとして有名なTEMPOラジカルをC60に付加させた分子を合成した。この分子は分子性磁性体としても、フラーレンを有するスピンラベル分子としても興味が持たれる。SQUID測定から、この分子自体は弱い反強磁性相互作用を示すことがわかった。電子写真の分野における電子輸送剤として、C60に各種ジアルキルカルベン1分子が付加した物質の電子輸送能を検討した。これらはC60の5、6付加体を6、6付加体の混合物である。C60分子中にアルキル基を導入することで、基盤ポリマーへの相溶性が向上した。Time of Flight法による電子移動度の測定から、電子移動度が大きいことで注目されているC60よりも、1.6倍程度大きい電子移動度をもつ物質も見つけた。優れた電子輸送剤は、有害なオゾンの発生を伴わない電子写真の開発を可能ならしめるので、各方面から切望されている。クロロベンゼン中、アンモニア水存在下でC60と脂肪族アルデヒド、およびベンジルアルデヒドとの反応を調べた。その結果、前者では、マススペクトル、2次元NMR、元素分析等から、C60の6、6位で2、5-ジアルキルシクロブチルアミン環を形成する生成物を与えることがわかった。後者では、C60の6、6位で、ベンジル基と水素がラジカル付加したと思われる生成物を与えた。これらの反応はC60の新規反応として興味がもたれ、将来のC60を用いた新素材開発にとって有用であると思われる。
|